Monologue

2006年01月11日(水) さらばドリーム・チーム

松尾貴史さん主演の舞台『BIGGEST BIZ』を下北沢本多劇場にて観覧。

相変わらず大した事は書いていませんが、
観覧予定の方はご注意下さい。


机二台と電話が二台有るだけの幽霊会社『宮本木材』で電話番をしていた粟根まことさん演じる結城の元にふらりとやって来た、松尾貴史さん演じる悪魔の様な(笑)かつての同級生・健三。
それに自称画家・神崎(後藤ひろひとさん)、リストラ男・木太郎(八十田勇一さん)、謎の女性・皿袋(松永玲子さん)の5人が繰り広げる、すったもんだの大騒動の末、幽霊会社『宮原木材』は百億円の利益を上げられる大会社に急成長してしまうと云う夢の様な物語『BIG BIZ』が上演されたのが2001年。

その後、社長に就任した結城達を騙して会社を乗っ取ろうと企んだ会社『ペルセウス』の社員川島(三上市朗さん)を逆に騙して、更に新たな会社を設立してしまうと云う続編『BIGGER BIZ』が上演され、今回の『BIGGEST BIZ』はその完結編である。

私はこのシリーズが大好きだったので「早く完結編が観た〜い♪」と云う気持ちと「でも終わって欲しくな〜い(涙)」と云う相反する気持ちを抱えつつわくわくしながら観た。

今回初登場の篠原ともえさんは普段TVで拝見する様な破天荒なキャラクターかと思いきや、案外普通のしっかりした女の子を演じていらっしゃった。
歌をやってらっしゃる所為か声がとても綺麗だったし、くるくる良く動く仕草がリスみたいにキュートだった。

予想以上に粟根まことさんの出番が少なかったのがとても残念。

前回では声のみの出演だったし、せっかくの完結編なのだから『悪魔の様な(笑)健三VS殺し屋の瞳・結城』の対決とか見たかった。

さて物語は今までの例に乗っ取って更にドデカイ大会社になるのかと思いきや、莫大な利益を得た代わりにお尋ね者となってしまったドリーム・チーム達は解散し、バラバラに逃亡する事になってしまう。

ラストシーンで各キャラクターが初登場時の衣装を身に着けて、それぞれに去って行くのを見たら、
(ああ、本当にこれで彼らとはお別れなんだな)と何だか切なくなって泣いてしまった。

カーテンコールの時、出演者の誰かが、

「本当にこれで終わり?まだまだ続きそうじゃん?」と言うと、脚本を書かれた後藤ひろひとさんが、ぼそりとおっしゃった。


「・・・・・・・誰か2、3人殺しとけば良かったですかね」


こんな時、脚本家と云うのは本当に『神様』なんだなぁと感じる。


だが、後でパンフレットに書かれた後藤さんのコメントを読んだら、こんな事が書かれてあった。


“今回でこのシリーズに登場するメンバー達とお別れになるのが俺はとても哀しい。

元々彼らは俺の頭の中に住んでいた妖精達の化身だ。

もし彼らが何らかの形で再登場する事があるとしたら、
それは好き勝手に逃げて行った妖精達が、きまぐれを起こしてまた後藤ひろひとに興味を持った時だろう”

いつも面白い脚本を書かれる後藤さんも、やはり『神様』ではなく『人間』だもの(相田みつをさん風)

何もかも計算通り、思い通りになる訳ではないらしい。


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