Monologue

2005年12月29日(木) 笑顔の下の・・・

どうしても年内に髪を切りたくて我慢出来ず、

「ゴメンね!明日残業するから!」の捨て台詞を残して定時退社し、行き付けの美容院に駆け込む(↑その態度は社会人としてどうなのさ?)

いつも担当して頂いている美容師のM野さんと相談しながら髪型を決める。

本当は真赤色に染めたりドレッドにしたりしてみたいのだが会社勤めなので、あまり派手な色にしたり思い切った髪型に出来ない。
その所為か「こんな風にして下さい」という要望があまり想い浮かばないし、M野さんはセンスの良い方なので彼女にお任せしてしまっている。

今日はパーマやカラーはせずにカットのみにする事になった。

M野さんは大変上手な美容師さんなので、当然人気が高く、大体いつも3人位のお客様をほぼ同時進行で担当なさっているが、どんなに忙しくても決して表情に出さず、いつもニコニコしている。

接客業だけあって彼女のお話もとても面白い。

「部屋に植物を置くと良いんだそうですよ」とM野さんは語る。

「その部屋に暮らしている人に降り懸かる苦難や災厄を肩代わりしてくれるんですって・・・そう云えば私の部屋に置かれた植物はみんな枯れちゃうんですよね」

その言葉を聞いて、私はM野さんの朗らかな笑顔の下に隠れている観葉植物を枯らしてしまう程のストレスを垣間見てしまった気がした。

もちろん彼女は、そんな表情は全く見せずニコニコ笑いながら手際良く私の髪を切って行く・・・


「実はびびさん(仮名)私、昇格したんですよ」と、M野さんは何故かちょっとすまなそうな顔をしながら私に告げる。

昇格したなんておめでたい事の筈なのに?

「ランクが上がったので施術料が私の今までよりお高くなってしまうんですよ」

え?そうなの?と料金表を見ると、
『スタイリスト』『ディレクター』『チーフ・ディレクター』の3段階に分かれており、大体1ランク上がる毎に千円ずつ高くなっている。
しかも各メニュー毎に千円ずつ高くなっている。
つまり今日の様に『カット』のみならプラス千円で済むが、
これに『パーマ』と『カラー』とを加えたりするとプラス二千円になると云うシステム。

「今日は『スタイリスト』のお値段でさせて頂きますね」と言われて、内心ホッとする貧乏人のワタクシ。

だが思えばM野さんに髪を切って頂く様になって、もう3年になる。

今更M野さん以外の人に切って貰うのはイヤだ。
たとえ値段が高くなってもやっぱりM野さんに担当して貰いたいと思う。

M野さんはお部屋に置いた植物を枯らしてしまう程のストレスを抱えてまで、頑張って昇格なさったのだろうから・・・・・・

でもランクが上がった今は、もうそんなに激しいストレスを抱えなくても良いのではないか?と思う。

任せられる処は新人さんに任せたりして、少し仕事の力を抜いても良いのではないかしら?
もちろん抜かないだろうけど。

不謹慎な考えだけれど、出来ればM野さんのランクがこれ以上上がらないで欲しいとこっそり願ってしまう。

『チーフ・ディレクター』ならまだしも、もし!彼女が『カリスマ美容師』になってしまったりしたら、ちょっと、いやかなり困る。

(ごめんなさいねM野さん)



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