Monologue

2005年06月30日(木) R氏考

「ななかさん(仮名)て、そう云うの好きそうだよね」と、
江戸川乱歩の本を読んでいたら知り合いのS君に言われた。

だが実は自分はそれほど沢山江戸川乱歩の著書を読んでいる訳では無い。

映画やドラマ、漫画化された作品等を観て筋書きを判った様な気になっていただけで、
実際に本で読んだ作品は案外少ない。

読んだ作品で印象に残っているのは文章が美しい『火星の運河』や何となく好きな『蟲』
そして読みながら吃驚した『孤島の鬼』
何故吃驚したかと云うと同性愛の話だったから、である。

本筋は猟奇殺人事件なのだが、主人公の蓑浦金之助に恋する道雄と云う男性の言動が
かなり大変な事になっていた。

何しろ!

主人公の手を握って「熱い手だね」と耳元で囁いちゃったり、
生死の境目の危機的状況に陥ってる時に「僕の愛を受けて」とか言いながら文字通り
『想いを遂げよう』としちゃったり・・・・・・

当時高校生だった私は読みながら吃驚仰天!七転八倒!!してしまった。

その後、何かの本で“乱歩は愛妻家ではあったが、
若い頃に志を同じくした青年達との心の交流を生涯最高の思い出にしていた”と云う文章を
読んで胸がドキドキしてしまった。

また横溝正史氏の『鬼火』と云う作品で主人公が犯人をかばった理由を告白するシーンで「それは私(と云っても男です)が彼(もちろん男です)を心から愛していたからです!」と
言い放った時には、やはり七転八倒してしまった。

ちょうどその頃流行り出した『ボーイズ・ラブ』と呼称される男の子同士の恋愛を題材にした
小説等よりも
私は乱歩や三島由紀夫らの純文学小説に描かれた『禁断の恋』の方が
リアルに感じられて心惹かれた。

・・・・・・・しまった、別にホモの話をするつもりじゃなかったのに、つい熱く語ってしまった(^^;)

ともかく乱歩の小説はどれも読み易く面白い。
ストーリーを知っているつもりで読んでいなかった本もこれからどんどん読んでみようと思っている。

それにしても私は「江戸川乱歩が好きそうな人」に見えるのか。

どちらかと云うとハマっていたのは夢野久作や京極夏彦なのだが・・・・・・
(↑傍から見たら同種の作家ですよ)

宮部みゆきさんとかも好きなんだけどなぁ。


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