Monologue

2005年05月21日(土) 人文字のぐるぐる

会社からの帰り道の途中に有るスナックの店先にこんな看板が出ていた。

『本日のお薦め料理 
    サワラの粕漬け 
    若鶏のカレー風味揚げ 
    人文字のぐるぐる』

何だ?『人文字のぐるぐる』って?

上の二つのメニューが普通の料理だけに余計にその料理名が特異に思えて、
私はその文字に釘付けられた様に店の前に立ち止まると、沸き上がる好奇心を抑え切れず、思い切って店内に入って尋いてみた。

「あの…『人文字のぐるぐる』って、どんな料理なんですか?」

お客でも無い私にその店の板前さんは親切に教えてくれた(良い店だ)

「『人文字』と云うのはわけぎよりももっと細い葱の事です。
こうやって引っ繰り返すと……ほら『人』って云う文字に見えるでしょ?」

そう言いながら板前さんは糸の様に細い葱を引っ繰り返して見せてくれた。
「この葱を軽く湯掻いて、根元からぐるぐるぐるぐる……と巻いて
酢味噌等を付けて食べるんです、九州なんかでは有名な料理なんですよ」

そう言いながら板前さんが見せてくれたタッパーの中にはぐるぐるぐる……に巻かれた
沢山の緑色の葱がみっしりと詰まっていた。

私は“ありがとうございました”とお礼を言って店を出た。

取り敢えず好奇心は満たされたものの……

『人文字のぐるぐる』と云うメニュー名からして、さぞかしヘンテコな料理なのではないか?と期待したのに、ちょっと物足りなさを感じてしまった。

あのタッパーの中に何だか得体の知れないヌルヌルした奇妙な人型の生物とか、
ムルムルの佃煮みたいなのとか、
ぐるぐるぐるぐると縛られたマンドラゴラの根っこみたいなのとかが、
みっしりと詰め込まれて“キィキィキィ”と甲高い鳴声を立てていたりしたら
オモシロかったのに……

(ウソです、もしそんなのだったら悲鳴を上げて逃げます(^^;))


 < BACK  INDEX  NEXT>


ななか [HOMEPAGE]