| 2003年04月03日(木) |
レオリオの『おやゆび』日記 1 |
「ありがとうございました!」
やたら元気の良い床屋の店員の声を背中で聴きながら、俺はドアを開けて店の外へ出た。
う〜ん、サッパリしたぜ♪
散髪したての髪に春風が心地良い。
男前もバッチリ上がったし、相方も俺に惚れ直しちまうぜvv
……などと考えながら駐車場に行くと、愛車の中で待っている筈のクラピカの姿が無い。
何処へ行ったんだ?
かなりの剛毛で人一倍時間が掛かるオレよりも 一足先に散髪を終えて店を出た筈なのに……
キョロキョロと辺りを見廻すと、 駐車場と地続きになっているスーパーの前で、 小さな男の子と楽しそうに遊んでいる相方の姿を見つけた。
普段は滅多に見せてくれない、 優しく穏やかな微笑を浮かべているクラピカを見ていると、 何だかこっちまでほのぼのした気分になっちまい……
つい声を掛けそびれていると、
「あ!ママだ!ママ!」
クラピカと遊んでいた子供が、 スーパーから出て来た両手に買物袋を下げた女性に向かってダッ!と駆け出した。
どうやら母親らしい女性の傍らに辿り着いた少年は右掌を振り乍ら、
「バイバ〜イ!おねえちゃ〜ん!!」
「お、おねえちゃん……だと?」
こめかみをピクピクと痙攣させながら、 母親の方へ走り去って行く子供の後姿を見送っているクラピカの背後に近付いた途端、 「何がおかしい?」と振り向きざまに真っ赤な瞳でギロッと睨まれた。
……俺の『絶』はまだまだ修行不足の様だ。
クラピカはどうやら子供が好きらしい。
露骨に目尻を下げたり、やたら猫撫で声を出したり等、 あからさまな可愛がり方はしないが、 ゴンに対する言動や他の子供への態度を見て、 面倒見が良い性格なのは以前から感じていた。
昔、故郷に居た頃、 弟や妹の面倒をみていた事を時折懐かしそうに漏らす事も有った。
“なぁ子供、欲しいか?”
こうやって二人で暮らす様になってから、 何度も喉元まで出掛かった問いを吐き出す勇気が無くて、また呑み込む。
もしYESの答えを貰えたとしても、俺達にはどうする事も出来ない。
だって男同士なんだから……
もしもクラピカが本当に女の子だったとしたら、
「もうすぐお前の誕生日だしよ、プレゼントしてやろうか?」
……なんて口説き文句を囁いて犯れ……(じゃなかった(^^;))
囁いてやれたのに……
……なんて事をこっそり考えながら、
チラチラと助手席のクラピカの横顔を盗み見ていたら、
「ちゃんと前を見て運転しろ!」と冷たく言われちまった(涙)
元々コイツは物欲が薄くて、
何をやっても喜びそうに想えなかったから
もし何か本当に欲しがっているモノが有るなら、
プレゼントしてやりたいと……俺はずっと想ってた……
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