・・・・・・に乗って、 『墓場』という電車に乗り換えて、六つ目の角で降りる様に言われたのだけれど 『極楽』という処で・・・・・・」と云う台詞で始まる舞台を観て来た。
(先日「休みたい」とか書いた癖に、芝居観たりとかしてるじゃねーか!と、お怒りの皆様、 本当にごめんなさい(;;))
『ク・ナウカ』(ロシア語で『科学へ』の意)と云うこの劇団が好きで 数年前からの公演は大体観ているのだが、 最近あまり面白く感じられなくなってしまい、実は観る前は全く期待していなかった。 始まる直前に「上演時間3時間15分です」と云うのを聞いて、 (イヤだなァ、途中で寝てしまうかも・・・・・・・)と正直げんなりしてしまった。
だが、予想外に面白かった(^^)
変に期待しないで観た方が舞台は“当たる”のかも?と想ってしまった位、 最後まで、のめり込んで観てしまった。
南部の大農園の娘で上流階級の出だった女主人公ブランチが、 身を持ち崩し、屋敷を失って、ニューオリンズに住む妹・ステラの元に身を寄せる。 ブランチはステラの貧しく猥雑な生活に驚くが、 ステラの夫スタンリーにとっても過去の夢の中に生きるブランチは目障りな存在で、 2人は出会った瞬間から反発し合う・・・・・・と云うのが大体のあらすじ。
観ている内に、 何故ブランチが身を持ち崩してしまったのか、とか、 何故彼女が虚構で身を固めなければならなかったのか、とか、 現実世界に居場所を見付けられずに壊れるしかなかった女性の哀しみが伝わって来て、 スゴク痛かった。
『欲望という名の電車』は、テネシー・ウィリアムズの有名な戯曲なのに、 今まで読んだ事も他の方が演じた舞台を観た事も無かった。
もっと小難しくて、取っ付き難い物語だと勝手に先入観を持っていたのだ(反省) 先日、大竹しのぶさんが演じていらした舞台も観に行けば良かった、と今更後悔する。 再演したらチケット取れる様に頑張ろう。
私の大好きな主演女優の美加里さんが、 可愛くてバカな女主人公ブランチを素敵に演じていらしたのも良かった。
美加里さんは動きだけで演じる事が多い方なので、 (『ク・ナウカ』では舞台上で動く人(ムーバー)と喋る人(スピーカー)を2人一役で演じるのが基本パターン) 動いて喋る美加里さんを観るのは何だか不思議な感じだった。 (個人的にはやっぱり人形の様に無表情に動いている方が好き)
これはかなり感情の入った個人的主観だが、 頭の良い男性達にとって、 不器用でバカな女性と云う者は、 怒鳴り付けて、虐待しするモノでしか無く、 その女性が身体や精神を壊してしまったら、 拘束服を着せて、病院に送れば良いと考えているんだろうなと、 腹立たしく感じながら観てしまった。
でも、面白かったです(^^) 最近、割とハートウォーミングな舞台ばかり観ていた気がするし・・・・・・ (それはそれで好きなのだが)
こう云うシリアスな心理劇を上手い役者さん達が演じられるとやはり見応えが有る。
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