今日の稽古が終了した後、ダンスのY先生はすまなそうに言った。
「今日振り付けが全部終わらなかったので、 『D』のシーンに出ている人は土曜日も来て下さい」
『D』のシーンに出して頂いている私は、 聞いた途端に意識が単身赴任してしまいそうになった。
出番を頂けるのは、もちろん嬉しい事なのだが、 明後日の土曜日は久し振りにプライベートな休日になる筈だった・・・・・・のに・・・・・・・・
「あ、もしかして用事入れちゃった?ななかさん(仮名)」と、 Y先生が怪訝そうに私をじっと見つめる。
その時、私の顔はきっと『オアズケ』を喰らった犬みたいな表情をしていたに違いない。
世の中には私なんかよりもっともっとずっと忙しくて休日の無い人は沢山いる。
現にY先生も12月公演の振り付けだけでは無く、 11月に自分の公演も控えているので私なんかよりもっともっとずっと・・・・・(以下略)大変だ。
主婦の方や小さいお子さんがいらっしゃる方は「休日なんて無い!」とおっしゃっている。
でも・・・・・・
贅沢な悩みだと判ってはいても、ちょっと休みたいなぁ(;;)と想う。 (先週温泉行ったじゃねぇか!とお怒りの皆様、ごもっともでございます。 でも帰って来た翌日からバッチリ稽古が・・・・・・(涙))
ダンス公演の稽古を休めないのは覚悟の上だが(←本当かよ?) 稽古が休めそうで休めない処にまた余計なストレスが溜まってしまう。
・・・・・・と云うのは、 12月のダンス公演に参加するのは25人前後なのだが、 その内の何人かが他の公演と『ダブル・ブッキング』(或いは『トリプル・ブッキング』) している為、 彼らはこちらの稽古を休まざるを得なくなる。(勿論事前に了承済なのだが)
その為、通常稽古に参加しているのは大体いつも同じ面子になってしまう。 (そろそろ同じ“疲れた”面子になりつつ有る(^^;))
すると、 「明日の稽古は『C』のシーンをやる筈だったんですが、 其処に出る人が半分以上お休みなので、 また『A』と『B』のシーンをやります」と云う事態が発生する。 (もちろん沢山稽古出来た方が良いに決まっているのだが・・・・・・・)
ちなみに『A』と『B』には、同じ面子の『ほとんど全員』が出演している。
逆に『C』のシーンには4人しか出演していない。
『C』の練習が出来るのならば、 そのシーンに出演していない『ほとんど全員』は休める筈だったのだが・・・・・・
「でも皆疲れているみたいだから『A』シーンで途中退場する人は休んで良いです」 振り付けのO原先生はそう言い掛けたが、 「あ・・・・!『A』シーンで途中退場する人って云うのは、つまり『B』に出る人なんだよね」と、 すぐに気付いた。
“そうなんですよ”と無言で頷く私達に向かって、O原先生は、 「ゴメン、やっぱり明日全員来て」とすまなそうに頭を下げた。
・・・・・先生達も疲れているんだなァと、しみじみ感じた。
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