Monologue

2002年08月04日(日) レオリオの『青汁』日記(かなり下品なので苦手な方はご遠慮下さい)

「う〜ん、苦い!!」

……と、台所からクラピカ先生の不機嫌そうな声が聞えた。

「何、飲んでんの?先生」

放課後、転がり込んだクラピカ先生のアパートの卓袱台の上に
宿題を拡げていたオレが顔を上げて尋ねると、

「『青汁』だ。センリツ教頭先生に薦められたのだが……」

そう言いながらクラピカ先生は、
台所から深緑色のドロリとした液体が半分ほど入ったコップを手に戻って来た。

見るからに苦くてマズそうな『青汁』の外見に
オレは見ただけで胸がムカ付く様な不快感を覚える……と、同時に妙な好奇心に狩られた。

「でも、それ……身体には良いんだろ?……ちょっくら俺にも飲ませて♪」

そう言いながら、クラピカ先生からカップを受け取る。

先生が飲み残した『青汁』を一口飲んだ途端、

「ゲーッ!ペッ!ペッ!ペッ!!不味〜〜いッ!!」

何だ、これはよォ!!

あまりの苦さと青臭い匂いに耐え切れず、
オレは“ダン!”とコップを卓袱台の上に叩き付けて、右手の甲で唇をグィッと拭う。

「うっわ〜ッ!!苦ェ……先生、こんなの毎日飲んでんのかよ?」

オレが呆れながら言うとクラピカ先生は肯き、

「ああ、私はあまり栄養状態が良く無いからな。
食事もコンビニ弁当かインスタント物が多いし……」

「だからって、こんな苦ェモン飲まなくたって……」

そうだ、こんな苦いモン飲む位なら、いっそ……


ふと、
オレは『ある事』を思い付くと、クラピカ先生の顔を見つめた。

「なぁ、先生……こんなに苦ェモンが飲めるんならよ、ちょいと違うモンも飲んでみたくねぇ?」

「何だ、それは?」

好奇心に溢れた口調で尋ねる先生に、

「栄養満点!!レオリオ・スペシャル!!……ってトコかな?」

「レオリオ……スペシャル?何だか凄いネーミングだが、栄養は有るのか?」

そう言いながらクラピカ先生はオレのすぐ傍らに腰を下ろした。

「『青汁』は大体レタス3個分位らしいが……」

「オレのは大体蛋白質が卵1個分てトコかな?

 ……先生、飲んでみる?」

「あ?ああ……」

クラピカ先生は半信半疑で肯く。

オレは特大のブラック・バスが針に引っ掛かった
『釣りキチ三平』みてぇな手応えを覚えながら、
クラピカ先生の右肩をグィッと抱き寄せると、そっと耳元で囁いた。


「歯は立てちゃダメだぜ……先生」


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