失せし希望
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その家から帰る朝はいつも思う
『ああ 今日で最後だな』って
日に日に寒くなってく秋のど真ん中、
空はてっぺんまで突き抜ける



家に帰ってから応急処置程度の洗濯を済ませて
雨が降りそうだけどそのまま干す
で、家を出る。秋の天気は変わり易い



ぼけぇと過ごしてたら
いつの間にか太陽は沈んでた
やたらデカイ夜が降りてくる
それに加え、京都特有の、この寒さ


家に帰りたくなくなる


夜、夜、夜、回想してみる 



曰く、
『あの時は本当だった。今となってはもう嘘だね』
『ああ やべぇ こんなに好きになったこたぁねぇな』
『始まらなければ終わらないよ』
−なんて言って自分をぼやかしてみたりする



『あいつまだ元気かなぁ』


『嘘だねきっと そんなのは嘘だよ
 騙してるんだ そうでしょう?
 力抜きなよ 楽になるよ』
・・・・
んなこと言って頭を撫でてくれたけど
その手って なんか やたら冷たいのよ
温度が とゆーか 撫で方?が かなぁ

そんで俺は思ったのさ 
『ああ この人は愛し方を知らないんだなぁ』
って


そんで俺は分かったのよ
『ああ 俺も愛し方知らなかったんだなぁ』
って



ああああああああああああああああ



騙し騙しの恋仲と
騙し騙しの独りぽっち
天秤にかけたらどーだろか
・・・
愛されることを望むなら
一生鏡でも磨いていたら良い
・・・
・・

・・
で、色々と考えて だ
行き着く先は昨日と同じ場所
最早第二の我が家ー、みたいな
居心地良いフリ?みたいなのしてるよな
そんな感じ
で、そんな生活が だ
何日も続くわけだよ

『                  』

多分そんなこと一生言わないんだろな
終わりを知るのは怖いじゃないすか ねぇ?

『    』

そのくらいの適当な嘘を吐いて
で、明日もまた同じような感じで ね


秋ってば遠いし高いし厳しいし

あ もう冬か

そっかそっか

2003年11月06日(木)
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