懐かしの場所。 私が「インターネット」も「チャット」という言葉も知らずに入った場所。 優しい場所。
それが、まだあるかと期待していた。 違った。空気が違う。不安と寂しさで他人が見えてない。 そして、自己満足な話題の提供しか出来ていない。 相手の雰囲気を察しようと言う気配さえない。
お兄さんお姉さんがいた場所。 世代など関係なく、話が出来た。 十や二十の年上がいることなど当たり前だった。 私はその中で『若い』といわれる部類だった。 何も知らなかった。人とのコミュニケーションの取り方を何一つ知らなかった。 あいさつさえ満足に出来ず、話題を振る事さえなかった。 初めて話し掛けられたとき、私はどう答えればいいのかさえ判らなかった。 傍にいた父が私に代わって、打ち込んでくれた。
他者の目がそこにはあった。 間違った事をすれば注意をする人がいる。 子供は間違いに気がつく。 優しい空間だった。
今も変わらず、あの場所は流れる場所。 だけど、来る人を迎える優しさも、去る者を見送る思いやりもない。 ただ、人が来て、ただ、人が去る。
あの場所はもう、ないのだと思う。
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