あの娘


あの子が居ない空間に慣れている自分に驚いてしまう。
慣れたらおしまいだと思っていたのに。
いつまでも新鮮な気持ちを持っていたいけれど・・・?

実際は慣れていることに慣れて生きている。
あの子が今この場所へやってきたなら
空気が変わってしまうんじゃないかって
恐れている僕がいる。

まるでTVドラマの撮影を見ている様に
みんなが遠くに見える。
どこかのもう一人の自分が
自分達を見ている様だ。

誰かが見ている。

もう一人の僕が僕を見ている。
少しづつこの不思議な感覚にも慣れていくんだ。
振り向いたら恐ろしい僕が僕を見ている。
振り返った僕が恐ろしく僕を見ている。

あの子がやってきたら
笑い出してしまいそうで怖いんだ とても。

だけど気持ちは慣れていく。



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