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2007年12月11日(火) 『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』

[場所]ル・テアトル銀座
[座席]8列20番
[時間]1幕70分、休憩15分、2幕55分
[料金]全席指定¥11,000−
[出演]
 マーガレット:島田歌穂、クララ:新妻聖子
 フランカ:シルビア・グラブ、ファブリツィオ:小西遼生
 ナッカレリ:鈴木綜馬、ナッカレリ夫人:寿ひずる
 ジュゼッペ:大高洋夫、ロイ:久保酎吉
 司祭:佐山陽規、平澤由美
 篠原正志、横山敬、右田隆、染谷妃波、中川菜緒子、
 一井優希、大貫杏里
[演出・訳]G2
[作詞・作曲]アダム・ゲッテル


<感想>
ビバ!島田歌穂!!
その一言で終わってしまっていいでしょうか(笑)
作曲の人が、リチャード・ロジャースの孫で、
音楽が綺麗だとかクラシカルだとか聞いていたのですが、
始まってみたら、「え?!」って感じ。
綺麗かもしれないけれど、むちゃ難曲っぽいし、
不協和音多いし、クラシカルだなんて、とんでもない!!

演出は、久しぶりにいいものを観たと思えたのですが、
訳詞家としてはG2さん、今ひとつだったようで、
「♪かが〜(息継ぎ)やいた〜」とかの、日本語として、
妙なところでのブレスや音の上下動が結構あったので、
歌穂さん、シルビアさん、綜馬さんクラスは歌いこなせても、
小西君には無謀な挑戦すぎた印象。
公演期間も半ばというのに、意味内容を理解するのに苦労するほどで、
しかも1幕に彼の長いソロが多いので、辛い状態で。

恋人の片割れ、新妻さんは、ファルセットは得意っぽく、
音楽としては美しい歌で、つい聞き流してしまうくらいでしたが、
歌い始めると腕が指揮者になるくらい演技を忘れていました。
そしてそれはつまり、G2さんが目指した、
「観劇後思い返してみて、あの言葉が台詞だったか歌だったか、
分からないくらい、歌が台詞の続きになっている」という意図が、
小西君同様、全くできていなかったということで。
他の人は自然だっただけに、メイン2人がそれなのはとても残念でした。


でも、とにかく主役はマーガレットだし!
複雑な事情を抱えた娘を、ひたすら守って生きるのみで、
夫との関係悪化にも目をつぶって暮らしていた彼女が、
障害の故に純粋な娘の恋に出会って、不安から、希望へ、
しだいに変化していく姿を見ていると、
いつからでも人生はやり直せるんだという気持が湧いてくる気がする。

息子のために、2人の結婚に寸前で異を唱えたナッカレリとの、
「♪歩こう」のデュエットは、2人の変化が自然に理解できてきて、
これはもう、ストレートプレイと呼んでいいだろうと思える
出来を見せてくれたのが印象的だったし、
エンディングのマーガレットのソロ!うわぁぁん、好きだ!
1幕の若者たちのたるさは、これで帳消しと言えるぐらいだったかも。


とにかく、演出と主演の勝利ですね。
外壁とも内壁とも見える丁寧に造られた石造りの壁に囲まれたセットが、
中に置かれるものによって、広場にホテル、美術館と如何様にも変わる。
優雅な動きでセットを取り替えるのはアンサンブルさんたちで、
街の人や司祭のような姿で、時に歌いながら演技しながら場面を変えるから、
暗転がなく、流れるように話が進んでいく。

舞台の奥半分は、綜馬さんが終演後のトークショーで
「釣り堀」と形容した大きな穴になっていて、そこがオケピ。
出演者たちは、その周りの、すれ違えないような細い通路や、
オケピからの階段を通って出入りするため、動きは制限され計算されている。
それが、現代的な音楽とクラシカルな話の間で、
何となくバロックなバランスを取っていたように思います。
そこに入り込んできた異邦人の、マーガレットとクララ親子。
途中、イタリア語の台本部分はイタリア語のままで進められ、
客席も置いてけぼりにされたのも、良かったと思います。

せめて、ファブリツィオが違ったらなぁ・・・。
個人攻撃はあまりしたくないけれど、
どうしてもそう思ってしまう、ほんの数点だけ残念な観劇でした。



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