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2002年12月01日(日) |
スタジオライフ初観劇(TV) |
深夜に劇場中継があったので、見てみました。 萩尾望都原作の『トーマの心臓』といえば、 70年代に書かれ、少女漫画の金字塔とまで言われる 透明な少年たちのギムナジウムにおける物語。 それが、男性ばかりの劇団で上演を繰り返されている。 まぁ一度ぐらいは観てみてもいいかなと思って。
最初の印象は「演技力や発声などを期待しちゃダメ」。 客演を何人か観たことあったから想像はしてたけれど、 予想の上を遥かに行く下手さな方もチラホラと。 特にトーマの母役は、名前を出すの遠慮するほど×。 また、せめてイメージだけでも合わせればいいものを、 下級生のチビのはずのアンテを、180cmもありそうな 長身のハンサムさん(姜暢雄)が演っているなども辛い。 エーリク役の及川健さんなんかがアンテを演れば、 下手なりに素直じゃない雰囲気は似合いそうなのに。 ユーリ母とエーリク義父だけは上手だなぁと感心したら、 この2役、同じ人(楢原秀佳)だったらしいです(^^;
舞台中継なので、観客の反応も聞こえるのですが、 この舞台、驚くほど笑い声が起きないのも不思議。 タイミングがうまく取れていないから笑いにくいけれど、 それでも、かっこつけて鞭を持っているのに、 それがコートに引っかかっちゃってる先生とか、 がに股を強調して歩き回っている人とか、多分、 笑ってあげた方が良いだろうと感じる場面もある。 でも何だか、すっごく真剣に見入っている雰囲気が 画面からも感じられて笑いは極少。見るのも大変。
「原作は真剣そのものの華奢で繊細な話だけれど、 いい年した生身の男たちが演じているのだし、 どう見ても美形とは言えない人も多いのだから、 (スタジオライフが美青年集団というのは大間違い) 真面目一辺倒で演じたら失笑ものにしかならないはず」。 そう思って見始め、どうしようもない演技に苦笑したり 爆笑したり、1人で突っ込み入れたりしながら その考えを確信に変えつつあったはずの私ですが、 でも、だんだんと惹き込まれていったのも確か。
あまりの舞台&客席の真剣さに引きずられたというか。 ♪Paper Moonを、まさに地で行く感じでしょうか。 しだいに、オスカー(笠原浩夫)がかっこよく見えてきたし。 別に顔そのものは、特に かっこよくないんです。 でも、ハンサムで頼りがいのある兄さんに見えてきて。 演技なんか上手じゃなくても、自分が信じ客が信じれば、 何とでもなるのだと言う実感でしょうか。結構、感動。 強調された がに股などは、笑いのためではなく、 「かっこ悪い人間」という約束の記号だということを、 ここに来てようやく理解しはじめたりもして。
結局、結構 楽しんで、最後まで観てしまいました。 話自体を、もともと好きではないし、主役のユーリを 演じた役者(曽世海児)さんが、影を表現するあまりにか 「誰にでも好かれる人当たりの良さ」という部分を 捨て去っていたことが許せなかったため、感情移入は 無理でしたが、楽しみ方は分かった気がします。 あんまりド下手な人を客演に出したりしなければ、 これはこれで なかなか面白いかなと思ったりしています。
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