コトバアソビ

2004年11月19日(金) 二度と会いたくない猫

「勝負しようか?」
と猫が顔を洗いながら
言ったから

見下されたみたいで
嫌だった


「それじゃ この闇の中を
たった一人で行きな」
余裕のように
しっぽをゆらゆらと揺らす


ずっと歩く
真っ暗なのに道が
ねずみ色に光る

植物も息を潜めて
身を寄せ合って

空を見ても
星は 小さく光ってる

誰も居ない
ただの闇

猫の目さえ
もう見えない


猫の声が
高く聞こえる

「振り返るなよ

振り返ったら呑み込まれてしまう」


もう猫とは会わない
二度と出会いたくないから
振り返らずに
今も歩いてる


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