白木蓮の咲く庭で...久純ゆきの

 

 

わんしーん。 - 2009年07月09日(木)

このまま消えてしまえれば、どれだけ楽だろう。
胸に込み上げかかった熱い激情の塊を堪えて蛇口を捻る。
壁のフックに掛かっていたシャワーノズルから
あふれ出した水流に顔を突っ込んだ。

泣くわけにはいかない――万が一誰かに知られたら、心配させてしまうから。
泣くわけにはいかない――あの母親の息子に、この家の中で泣く資格はないから。
泣くわけにはいかない――。

(真っ赤に染まったこの手で、何を今更……)

息を止めたまま温かな水に顔を洗わせて、
呼吸を堪えるために左の肩に右手の爪を立てる。
このまま肌を突き破って、母親から受け継いだ分の血だけを流し切れたなら、
圧し掛かった罪悪感は薄れるのだろうか。
自分自身に感じる嫌悪感も少しは減るのだろうか。

ついに、酸素を求めた体が跳ねて反り返った。
浴室の白い天井が目に飛び込んでくる。
すぐに瞼を閉じたけれど、堪える間も無く眦から一筋、顔に残ったぬるま湯よりも熱いものが零れていった。

(違う。違う、違う)

何度も何度も胸中で繰り返した。
悲しくて泣けたんじゃない。
懺悔に震える涙じゃない。
息苦しさに喘いだ自分の体が反射的に落としたものだ。
荒い呼吸で肺に空気を取り込む間に、滲みそうになる嗚咽を噛み殺す。

「……何で、僕は……」

今またこの世界に、生まれ変わったのだろう。



*********

一部抜粋。

こういう載せ方はホント危険なんですけど、
今月末のセッションに向けて
TRPG回路をダブルクロスに完シフトさせたいので
(っていうかシナリオ作成真っ最中)
はずみんはいったんお休みでございます。


シナリオ後のはずみん。

「シナリオ中の過去シュウくんじゃないの?」
というツッコミが桃缶面々から出てきそうですが、羽純です。

ヘレンさん(過去のお嬢様アイズ)が離れた後、
18歳の男の子の価値観オンリーで考えれば、
どうやっても痛み系リンケージになりそうなんで。

羽純が女の子であればきっと引っ掛からなかったんでしょうけれど、
その原因箇所については文中で触れてないので詳しくは割愛。

書き込み自体まだ足りてないですが、
もっと、触れたら即座に切れそうな
薄い薄い刃みたいな息詰まる緊迫感を書きたいです。

最後のワンフレーズが、
一面真白に積もった雪の中に
ぽつりと落ちた赤い椿のように凄惨に際立つような。
(この人、羽純に容赦ないですよ)

神様、筆力ください。


このシーンで終わりというわけじゃなくて、このシーンが始まり。
どん底の羽純を浮上させるまでを書きたいのです。
(どしてこんなにどん底に行っちゃったかとかも)

一応プランはあるので、あとはあたしの筆力と根性ですね。

うん、がんばる。


...



 

 

 

 

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