こころのごはん。 - 2008年02月18日(月) 立て続けにいい感じのご本を読了したので、 記録と併せて、ご紹介を。 この日記を覗いてくださっている方は 多分、大方のお客様が読書好きだろうと思われるので もう読んだことあるしーってご意見が結構多そうかなとも思うのですが。 『狐笛のかなた』上橋菜穂子 守り人シリーズの作家さん、と言えば通じる人も多いでしょうか。 上橋さんというとオリエンタル系というか アジアンテイストの世界を描かれる方という印象ですが、 上橋さんの日本ファンタジー。 はっきりきっぱり極上です。 個人的には守り人シリーズよりも好きです。 シリーズ初刊の『精霊の守り人』と甲乙付けがたい感じかな。 個人的に、上橋さんの物語のイメージを擬音で表現すると 「どっかん」とか「ずしん」とかそんな感じ。 骨太でたくましい、生命そのものの強さや震えみたいなものを 描く方という印象があったのですが、 『狐笛のかなた』はもうとにかく繊細で繊細で繊細で(エンドレス)。 この物語に響くものというのは、 日本人の細胞に刻まれてる振動、 或いは血のなかに溶けて伝えられてきた記憶、 もしくは生まれてくる前から知っている無意識のリズム、 そんなもののような気がします。 懐かしくて愛しくて、せつなくて。 とにかく、ラスト。 これ、色々感じる人がいるだろうなぁ、と思います。 でもこの響きかたが「やまと」だと思うのですよ。 「にほん」ではなくって。 「やまと」。 戦艦じゃないですじょ。 ……いかん、つい茶化してしまう。 「ああ、解る」って言ってくれる人どっかに居ないかしら……。 Amazonで、星3つで意見寄せてる方がいらっしゃいますが、 この方の方向性でまとめてしまったら 「やまと」じゃないのよ、と。 古代日本の「うつくし」観の中には、 儚さや淡さというものが一緒に含まれていると思います。 大輪に咲き誇る薔薇でも、艶やかに花ひらく牡丹でもなく、 みじかい季節の合間に散りいそぐ桜の「うつくし」さ。 そう表現したら解っていただけるでしょうか。 色々と書きましたが、とりあえず。 「とにかく未読の人は読むといいよ!」で簡潔に締めさせてください(笑) 『レインツリーの国』有川浩 図書館シリーズがしばらく前に完結しましたが、 ようやくこちらにも手を伸ばしてみました。 んっと、私は結構好きですよー。 ただ、有川さんの図書館シリーズだとか、 デビュー作から続く自衛隊三部作と同質のものを求めてしまうと 間違いなく「かくん」となりますね。 私は図書館シリーズが完結して少し間が開いてから読みましたから、 戸惑わずに居られたのかもしれません。 ただ、有川さんの心理描写、 心の機微を捉えて描き放つ感覚っていうのは変わらないと思います。 会社でお昼休みに読んでいたのに ついつい泣きそうになってしまいました。 出版社を超えたコラボモノのだとか、 既存シリーズと結び合うものだとか、 キャラクターの設定の云々だとか、 そういうものは一切取っ払った方がいっそ良いかもしれません。 ラストの方、ぐっときたフレーズがありました。 「ああ、私この頃どうしてたっけ」って ついつい振り返ってしまいました。 お手元にこの本をお持ちの方がいたとして……解るでしょうか? 伸君視点で書かれている、ある一文です。 襟元を正される気分になりました。 心が響くご本に出逢えると、しあわせです。 奇しくも、両方とも その作家さんの本流からすると 少し離れた位置に見られるだろう作品。 片方は積読にしていたもので、 片方は本屋さんで見かけても買わずにいたもの。 同時期に読んで質は違えどこころ震わせたのは、 はてさて偶然でしょうか、 それともやっぱり「奇しくも」なのでしょうか。 ...
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