藤の季節ですね - 2007年04月21日(土) ととと。忘れてた。 どうも急がなくても良くなった模様なので、 ダブルクロスのテスト募集、一度閉めます。 のんびり作ろう〜♪ 職場にある藤棚の藤が咲きだしていました。 実は、藤の満開状態がどれほどの咲き加減を言うのか 判断がつかないのですが、 でも、まだ……多分満開にはちょっと足りないと思います。 あと数日というところじゃないでしょうか。 花はあんまり大きくないのですが、やっぱり綺麗です。 藤は「奥ゆかしい」とでもいいましょうか、 そんなイメージがあります。 大好きな白木蓮が「清楚」とするなら、 藤はもう少し、色っぽさみたいなものを感じますね。 白と紫という花の色の違いがあるかもしれませんが……。 (白い藤もありますが、これはまた少しイメージ違ってきます) いずれ、藤の付く名前の子を演じてみたいなぁ。 単発じゃなくてキャンプで。 思い入れの深いものに出来るなら単発でもいいんですけど、 そうなるかどうかはセッション始まる前には分からないから……。 そういえば白木蓮で思い出しましたが、 白木蓮に似ているお花に辛夷(こぶし)があります。 このふたつの違いは、花が全開するかどうか。 辛夷は花が開ききってしまうのですが、 私は開ききった状態の辛夷の花の形があまり好みではありません。 開ききった辛夷に清楚さは感じないからです。 そして辛夷の方が、 白木蓮よりもう少し後の時期まで咲いているイメージがあります。 (今年は、うちの地元は特にそうだったんじゃないでしょうか) 白木蓮の花は、 つつましくふくらんだ花の中に 大切な思いをそっと包み込んでいるようで、 そんな姿がとても愛おしく見えるのでした。 **************** 『01:小さな、暖かな手』 不意に後ろから服の裾を掴まれて、 クルスは危うく足を滑らせそうになった。 咄嗟に堪えたのは、そのまま勢いに負けてしまえば、 間違いなく後ろに居る相手を潰しかねないと思い浮かんだからだ。 衝撃で、抱えていた買い物袋の中で飛び跳ねるオレンジたち。 慌てて右手で押さえ込もうとしたけれど、 手首の動きだけではおおよそ全てをフォローしきることは出来なかった。 オレンジがひとつ、クルスの手を逃れて地面に転げ落ちたのを、 通りすがった若奥様風の女性が拾ってくれた。 恐縮するクルスと、そして彼の後ろへと視線を動かした女性は微笑んだ。 「仲のいいごきょうだいね。 お嬢ちゃん、お兄ちゃんの代わりに持てるかな?」 女性は受け取ろうとするクルスを振りで押し留め、 その場に屈み込んでオレンジを差し出した。 服を後ろに引っ張る力が消えて、ととと、と背後の気配が隣に並んだ。 身動きしづらいクルスの視界の下の方で、 ふわふわとした金髪が揺れている。 「もてましゅ」 ん、と差し出された小さな手にオレンジを渡すと、 女性は金髪を軽く撫でてから立ち上がった。 気をつけてね、と微笑んで去ってゆく女性に ――頭を下げると林檎とオレンジが本格的に落ちるので――目礼をしてから、 クルスは隣に立つ金髪に改めて視線を向けた。 自分を見上げる真っ青な瞳とぶつかる。 その表情が本当に嬉しそうな笑顔だったから、 クルスは思わず出掛かった言葉を飲み込んだ。 「アリス……」 その小さな生き物の名前を呼んで溜め息を零す。 笑顔があんまり無邪気でいとけないから、クルスは怒るに怒れない。 抗議の矛先を逸らされてもういちど溜め息をついた。 「……今度から、掴む前にちゃんと呼びかけること。分かった?」 「あい」 少女が勢いよく頷くと、くるくるの金髪が楽しそうに宙に舞った。 首が取れないだろうかと不穏当なことを思いながら、 クルスは抱えていた買い物袋のバランスを取り直した。 そして右手を空けると、少女へと差し出す。 少女はにぱっと笑顔を弾けさせて、クルスの手に自分の手を重ねた。 幼子らしい少し高めの手のひらの温度に思わず笑みがこぼれたけれど、 クルスはすぐにそれを引っ込めた。 この仔猫にちゃんと言い聞かせておかなければ、 早晩自分は絶対に痛い目を見る。 「それから、後ろから引っ張らないこと。転ぶから」 「あい」 神妙な表情でこくんと頷いたのを確認してから、 クルスは小さなぬくもりに軽く指を絡めた。 アリスの指先に、きゅっと僅かに力が篭る。 「オレンジ落とさないようにね。じゃ、帰ろう」 また「あい」と頷く少女に合わせて 歩調をゆっくりとしたものに落とすと、 クルスは家路を辿り始めた。 買い物袋の中から、オレンジがやわらかく香る昼下がりのことだった。 『四つの物語 Type : 35 01:小さな、暖かな手』 【追憶の苑】牧石華月さま ...
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