『サンドリアに日は落ちて 1』 - 2006年05月10日(水) 「…………っ!」 その時、アピスナナ――ナナは、咄嗟に上げそうになった声を飲み込んだ。 けれど唇を噛み締めても息を呑む音までは堪えきれず、 大きなしゃっくりに似た動作に、 隣に立っていたエルヴァーンの女性が胡乱げな視線を寄越してくる。 慌てて誤魔化すように笑いかけてみたものの、 端正な面立ちに浮かべられた怪訝そうな表情は消えないままだ。 銀髪も凛々しい彼女が闇色のクリスタルの塊を手にして去るのを見送って、 ナナは肩で大きく息を吐いた。 落とした肩を持ち上げながら、改めて競売窓口に向き直る。 薄いクリスタルのボードに浮かんだ過去の落札価格を見直した。 ビートルリング : 3000ギル 最初に浮かんだこちらは、問題ではない。 予想の範囲内の値段だ。 懐具合にもとても優しい。 しかし。 ボードを操作して、表示させる内容を変える。 パワーボウ : 50000ギル (……いち、にい、さん……やっぱり桁の数え間違いじゃないわよね) 突拍子も無い悲鳴の代わりに、 今度は深々とした溜め息が漏れた。 「ありえない。……モグ、ショートボウで我慢してくれないかなぁ」 金庫に仕舞ってある自分の装備のことを思い出してつぶやく。 戦士のレベルを上げる折に、 跳ね回って捕まえにくいウサギの視線をこちらに向けるために買った弓。 あくまで挑発のためだけに購ったもので、 威力や命中精度は、はっきり分かるほど酷い。 流石にショートボウは冗談としても、 モグももうちょっと可愛げのある値段のものをねだってくれれば良いのに。 身を護る装備に関して、周囲に相当甘やかして貰ってきていたので ――ナナ自身、そんな自覚だけは一応ある―― いまだかつて、単品でこんな額の買い物をしたことは無い。 ため息と共に財布の中身を思い浮かべる。 実に、現在の所持金の約半分。 いくら助けてもらっているとはいっても、 「クポ〜」のおみやげに持たせてやるには ちょっとばかり頭が痛くなる値段に思えた。 小耳に挟んだ高レベル冒険者の話では、 希少な武器防具のために全財産に近い金額をなげうっただとか、 何百万だのといった想像を超える桁の金額で取引が行われているらしいが、 ナナは生粋の庶民上がり、そして殻つきヒヨコ冒険者だ。 先日も、モグハウスに置こうとしたブロンズベッドの値段に めまいを起こしかけたばかりである。 とりあえずビートルリングだけを競り落とすと、 南サンドリアの競売窓口から離れて 冒険者居住区域へと歩き出した。 (続く) ***** ご安心ください、完結してますから!(一応) ちょこっとずつ小出しにしようかと思います。 何か長いから。 その割には中身無いけど。 会社で、仕事の合間に勢いで書き上げたシロモノです。 (仕事しようよゆきのさん) そんなわけで、アピこの金庫のいっぱいいっぱいさ加減をなんとかしたくて、 始めてみた金庫拡張クエ。 素直に全部競売で買おうとしたら、お金がかかること……。 もう長いことやってる方にははした金みたいな金額かもなのですが、 8万というと、何とか堀ブナ釣りという金策に行き着いたばかりの 駆け出し冒険者には結構来ます。 というわけで、材料は揃えて、合成はサリさんに頼りまくるという方向で、 何とかアイテムは渡し終わりました。 といっても、ボウの材料確保で皆様にお手伝いをお願いしちゃったり。 相変わらず頼っちゃうアピです。 砂丘の羊狩りをお手伝いしていただいて誂えたパワーボウ。 モグに渡すのがすごく嫌だったです(苦笑) ついでに金庫に関しては、 業を煮やして&ウィンダスがコンクェスト1位のままなので ついに倉庫を作って落ち着きました。 アピはまだ足を踏み入れたことの無い、ウィンダスの地。 噂のセミ・ラフィーナさんにお目にかかりました。 でも、あんまりウロウロしたくなくて (なるべく初めてはアピで体験してみたいっ!) しばらくは本当に倉庫ちゃんな倉庫になりそう。 緑っぽい髪の、おかっぱのタルちゃんです。 名前は、Hinana(ヒナナ)。 アピに揃えて、月の神様の名前から貰いました。 ポリネシアの月の女神ヒナを、タルタルの女性名にアレンジ。 そろそろサルタオレンジを輸出(違)してもらおう。 調理上げ調理上げ。 じゃ、なーくーてー。 PTの立ち居振る舞いは、やっぱりよく分かりません。 2度目のPT(=初野良)は、考えること放棄してたしな……。 ぱらいずー、すろうー、なぐるー。 本当に時々、けあるー。 以下エンドレス。 みんな無邪気に殴ってました。 りーだーの黒魔さんは魔法撃ってたと思うけど。 挑発の直後に魔法を撃つのが正しいの? 敵との位置関係、どこに立ったらいいんだろう。 攻略本のどっかに書いてあったはず。 調べよう。 今日も釣りして寝よう。 釣りは毎回、リトルワーム4ダース分。 30分は絶対掛かるけど、1時間はかからないくらい(だと思う) 北サンドの一角でぼんやり釣り糸をたれながら、 攻略本(というかデータ本)に目を通す日々です。 ...
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