お疲れ様、ミラ - 2004年10月17日(日) ふいー。 桃缶ソードワールド・謎の教皇INテンチルドレン編(仮)が無事終了ー。 高校時代からずっと温めていた チェンジリングエルフのマーファプリースト、 ガルガライス(ズじゃないよね?)の未来の聖女(笑)ミラ・ファルーカ、 無事に『はじめてのぼうけん』を終了しました。 15歳にしてプリースト技能LV7。 恐るべき少女でございます。 ついでにチェンジリングなエルフなので、 寿命はあと1000年くらいある予定。 ゆきの的世界観では、遅くとももう十年もすれば ガルガライスにリザレクションの使えるプリーストが誕生します。 しかーし、彼女もまた私の持ちキャラですから、 そのうち『自分の役目が終わった』と感じた頃合に ガルガライスを出奔、放浪の旅に出ると思います。 なんたってバード技能持ちですから(笑) 元々の彼女は、古いサーガに憧れて それまで育った神殿を家出した、という経歴を持つはずだったのですし。 気ままにふわふわと笑いながら、 アレクラストのどこかでまた顔を出すのでしょう。 ……私がソードワールドを扱うことがあれば。 ********** 「クエさん、本当に行っちゃうの?」 「……ああ」 大陸東方の砂漠生まれの無口な魔術師は、 今日も変わらずトレードマークの口元に布を巻いていた。 けれどミラには、その下の笑顔が見えるような気がしていた。 クリエイト・デバイスの呪文を扱えるようになった彼は、 これで導師に「破門」して貰えるらしい。 その辺りの理由をあえて聞くことはなかったけれど、 「破門」は彼のひとつの旅立ちになるのだろう。 広い肩に乗っていた使い魔の黒猫が、にぁと啼いた。 もうこの猫に、ゴハンもおやつもあげることはない。 きっと、ずっと。 それは漠然と感じた予感。 たまたま、人生のある一点が交差して擦れ違っていく。 東方の砂漠生まれの魔術師と、西方の海育ちの神官と、 元より巡り会ったことの方が奇跡に違いない関係なのだから。 その魔術師の隣で、背の高い金髪の戦士がのんびりと笑っている。 「で、リーゼさんも一緒なんだ」 「ん、まあな。とりあえず……」 「「一緒についてく」」 最後の一言が綺麗に重なって、ミラは思わず笑った。 一瞬呆けていた金髪の青年戦士もまた、すぐに同調して笑い始める。 その言葉は、ミラが彼らに出会ってから たびたび聞いてきた言葉だったから。 人生の長さに比べてとても短い期間だったけれど、 この時間はきっと本来の長さより何倍も何十倍も重いに違いない。 最初の冒険は、夢見たサーガとまるで違ったけれど、 現実を見せてくれたのがこの人たちで良かったと思う。 海からの風に吹かれて、下ろした黒髪がふわりと舞った。 視界を覆う髪を掻き揚げて、ミラはまたもう一組の2人組を見る。 淡い金髪を、布を使って綺麗に結い上げた女冒険者。 戦士の心得と精霊魔法とを操り、 そして何より地面に足をつけて歩くことが得意な彼女――ティア。 「ティアさんは……?」 「私はね、まだ帰らないけど。もうちょっと世界ってモノを見て回るつもり」 耳元で揺れる金細工の耳飾りが、きらりと陽光を弾く。 まるで彼女の笑顔のように。 背筋を伸ばして常に前を見続ける彼女は、 少しだけ、サーガに出てくる女主人公に似ている。 視線を外してまぶしげに海を見つめる横顔に、ミラは微笑んだ。 「で、セインさんも?」 「オレ、同じとこ居るのって飽きっから。 ま、しばらくはティアと一緒だな」 ミラよりも背の低い、けれどミラの倍以上も長く世界を見ている グラスランナーのシーフは、 彼の一族の生き様に相応しく永遠に放浪し続けるに違いない。 旅こそが彼の故郷、彼の生きがい。 新しいものを見、新しいものを知り、新しいものを探し続ける。 「そっか」 それ以上の言葉はなかった。 彼らとの出会いは、長い人生のほんの一瞬の交錯。 笑顔で見送ることが、この出会いの最後の台本。 ここに留まるミラに出来ることは、綺麗に気持ち良く送り出すこと。 ミラの人生は、人よりもずっと長い。 それは、人の中にエルフとして生まれた時から定まっていたこと。 人よりたくさんの出会えるぶんだけ、 たくさんの別れも経験するということ。 これもまた、そのひとつ。 「じゃあ、みんな、元気でね」 「お前もな、ミラ」 「もっちろんだよ!」 そんな言葉は、金髪の青年戦士。 相方の無口な魔術師は、黙って手を上げて背を向ける。 「頑張ってね」 「うん、ティアさんも」 最後まで綺麗な笑顔の女冒険者。 挨拶もそこそこに、その背を追っていくグラスランナー。 その姿が視界から消えるまで、見送ることはしない。 でも、後もう少しだけ……。 「ミラさまーっ! 義母君様がお待ちですよーっ!!」 余韻を打ち壊したのは、先日から側付きになってくれたばかりの 黒髪のハーフエルフの侍祭の少女だった。 振り返れば、城門の向こうから、膝丈の司祭衣を翻して叫んでいる 見慣れ始めた小柄な姿。 彼女との出逢いもまた、ひとつのさだめ。 目を閉じて小さく笑うと、ミラはいつもの笑顔を浮かべた。 「はぁいっ、今行くよーっ」 もう背後は振り向かない。 過ごし慣れた城へ向かって、ミラは一歩を踏み出す。 これが彼女の「さいしょのぼうけん」の終わり。 そして、次のサーガへの、小さな第一歩。 ...
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