mighty river

2003年03月26日(水) 古尾谷雅人賛え

朝、テレビで古尾谷雅人の自殺を知って、けっこうショックだった。

古尾谷雅人のファンというわけではない。

ファンではないけれど、1981年のヒット映画『スローなブギにしてくれ』を見て以来、浅野温子と並んで“自分人生のランドマーク”的役者だった。

浅野温子は、一時期のトレンディ女優を通過して、今ではすっかり、ええと、なんというか、熟女というのとも違う、ベテランというのとも違う、「あんまり年齢をうまく消化しているとは言い難いかもなぁ」「どうせなら、もっと積極的に、素敵に年を重ねてほしいなぁ」女性と化しているが、
古尾谷の方は、最近めっきり見なかった。


今、上記URLをよく見たら、スローなブギって片岡義男原作だったんだ、と思い出した。
当時、片岡義男は大人気だった。
わたしは軽薄すぎるとバカにしていたけれど、そんでも何冊か読んだ。

『スローなブギにしてくれ』のふたりの、まばゆいかっこよさ、瑞々しさ。
世俗のバカバカしさや喧騒を超越した、特権的な感じ。

映画が終わった時、この二人は、年を取らずこのまま死ぬべきなんだ、
とすら思わせた。


今死ねたらどんなにシアワセだろう? と思う瞬間があったとしても、
やっぱりまだ生きている、
やっぱりまだ生きているものなんだよ、

という事を、遠くから教えてくれているような、そういう役者だった。



何があるにしてもさ、一緒に年をとろうよ。

そう言いたかったな。



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