また携帯が壊れた。 帰宅して、いつものようにごはんを食べていた時のことだった。 最近は家族の夕飯に大きく間に合わないので、 まず準備したり材料を揃えたりの段階が増えていて、やっと食事になる。 明日あたりはコンビニ弁当でも買っとくか、自宅生なのに、 みたいなネガティブなことを考えていた時だった。 ふと携帯を見る。沈黙している。 じつと携帯を見る。まだ沈黙している。 電源は。ボタンを押す。されど応へず。 ……充電器に差し込んでみたれども、何らリアクションがないではないか。 ひょっとしてまた壊れたんだろうか。というか、壊れた感じの空気だ。 また変えることになるんだろうか?番号まで?いやいやそれは。 機種・番号を変えてからやっと二週間。 ようやく使い方を覚えてきたところなのに。 〆切前なのに。……こういうのを泣き面に蜂というが、 あえて蜂じゃないものがいいよね。と考えてしまうのはなんなのか、 なんか天の邪鬼なんだな。 私はこういうフレーズをついついひねり、またさらに ひねりにひねりを加えてクエン酸をかけるような所がある。 よけいなコストがかかっている感じがするが、またそれも一興。 『泣き面に』……うーんそうだな、『恩師』。 大変だぜ。泣いてる時に、昔の先生とばったり再会した日にゃ。 「あっ、おぴさしぶりれす」とか、 鼻詰まってんのに気を遣いながら涙も拭いて。忙しいったら。 先生も気まずいよな。再会した教え子、泣いてるし。 お互い何から話していいもんか、空気の読み合いの応酬が始まるんだ。 『泣き面に恩師』 意味・不幸が起きた時に、それをフォローしようにも なんか気まずい状況のこと。 今回の携帯電話騒動なんてまさにそう。 「すいません、携帯壊れました」っていうメールや連絡、これからみんなに 出さなくちゃいけないのだ。 「あれ……コイツ、二週間くらい前も同じこと書いてなかったっけ」 そう思われるんだろうなー! 『携帯の扱いが荒い奴』もしくは『最近体から妙な電波を出し始めた奴』 っていうキャラだと思われるんだろうな。 どちらかというと、後者がいいけどな。 あー、災難な上に気まずいなーこりゃこりゃ! |