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多っ
2003年04月28日(月)

太陽が燦々と輝く今日、私はめでたく退院気分だ。

……『退院気分』というのは、『退院』ではない。
あくまで気分的な問題である。
入院したわけではないが、具合が悪くなって出かけるのが困難になり、
なんとなく「療養中」「CLOSED」な状況になってしまったりする。
退院気分とはそんな状態からなんとか脱却できたということ。

そのくらい体調が下降して、先週は実際落ちこんでいたのだ。
何年か前の、悪夢のような日々――悪夢というのは体調に関してだけで、
愉快な友達に囲まれてただ楽しく絵を描いていたという点では
人生でピークだったような気がする――を彷彿とさせる体調。
(※この――で囲む感じの注釈、よくある読みにくい本を真似してみた。)
今まで数年間、体を鍛えなきゃとか、用心しなきゃとか、
平均的な同世代の女性に比べて数倍神経を使って生きてきたつもりだったのに、
そしてその甲斐あってだいぶ体調が改善してきたつもりだったのに、
……まだ、こんなにも足りなかったの?という失望。
九九がまだ全部言えないことにふっと気付いた中学生みたいな落ち込み。
なんだよ俺、まだ足りないなーと。

でもやはり、原因もきっかけも簡単なことだった。
ただ気温が安定すれば良かった。
そして私ももう少し落ち着いて眠れば良かった。
こういうことは何度繰り返しても不安になる。
生き物は案外、難しいことは学べるけれど
簡単なことほど学習できないのかも知れない。
どれだけ思い知っても「うまく休む」ことを学習できない私がいるのだ、
だから「戦争しない」ことを学習できない人類だっているのだ。
なんて深いことにまで言及してみたりする。
そして社会派のふりをしてみる。
でもどっちも無駄ばかりしているわけで、明らかに損をしているわけで、
だからまずは、せめて己の不器用さを自覚して反省するしかない。

回復したはいいんだが、今度は諸々の事情で歯がおかしい。
一昨日くらいから「噛む」ことがほとんどできなくなった。
だからウィダーインゼリーで10秒チャージ。
全ての食事が10秒チャージだ。これまたスピーディー。
家に帰っても、夕飯のメインが豆乳だったりする。
そんなラインナップだと逆に健康に良さそうだが、
この状態のままゴールデンウィークを迎えてしまった場合、
もはやゴールデンとか言ってる場合じゃなくなる。
なんせ、たまには普通のご飯が食べたい。
“まぁこの機会に、少し小食になるのも悪くはない。”
そう言ってみるといかにも「この人、(体調的に)余裕だなあ」という感じ。
「ダイエットしなきゃ」気分かい。でも実際は病み上がりである。
そんな時に栄養不足でいいのか。いや如何せん。

そんな折、六本木ヒルズがオープン。
……あっしまった、土地勘のない場所の話題を!
でもこんな私でも、一度言ったことがあるんである。港区六本木に。
ただその名目は「東京見物」。……ほんとに見物だった。
今度は「東京散策」として行ってみたい。
それにしても六本木ヒルズというのは広いらしい。
その中でスタッフが迷子になる例もあるらしい。と
朝のワイドショーで言っていた。「ふぅん」、と聞き流しつつも、
キャラクターとロゴが気になる(職業ならぬ専攻病)。
入っているお店からして大人!高級!って感じの街なんだけど、
CMをちらっと見た感じでは「それにしてはかわいらしいなー」という印象。
もっとちゃんと見たいが。
それからロゴも、○が点々と並んでるという変わったもの。
説明されないと「?」である。ちゃんとローマ字をかたどってるのだ。

ああいうデザインの善し悪しは、正直よく分からない。
それがいいんだ、と言う人もいるだろうし、ダメだ、と言う人もいて。
個人的にはわかりにくいのは好きではないが……
でも「好き嫌い」と「善し悪し」は違うことだろうし、
なんてごちゃごちゃ考えると、なかなか評価を下すことができない。
この色の隣はどの色を置いたらいいですか?って聞かれたら、
いやどれでもいいじゃん、と答えかねない。
大した支障はないだろう、なんて。
でもその対象が生き物だと、「いやこのピンクじゃない、
ここはもっとオレンジっぽい色がいい」と、細かく感性が働き出す。
不思議なことに、生き物を描くときはほとんど迷うことなく色を選べる。
やっぱり根本的に、生きている物の方が好きなのだろう。架空であっても。