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101回目のプラカード
2002年10月11日(金)

今日は朝から学校。後輩達に、Y嬢が作品集を見せていた。
彼女の作品は素晴らしいんだが、その半面ちょっと体に悪い。
長時間見ていると、私のようなものは「どうせ、オイラは……」と
落ち込んだ気分になって、ふるさとの山へ帰りたくなるのだ。
自分の故郷が関東平野ど真ん中であることも忘れて。
でも、私には私にしかできないことがある、
私にしか描けない線があるはず……と、
ホワイトボードに落書きをしながら己を思い出す。
しかし後にそのホワイトボードを壊す。
多分壊しにくいもの、なはずなのに……。

その後、編集長と共に後継者を募ったりした。
二代目編集長候補がめでたく見付かる!めでたや。

「はやさん、可愛いから○○手伝ってぇ」とおだててきた先輩に、
すかさず言い返す。「そういうおだて方は違います!」と。
「『はやさん、面白いから○○手伝ってぇ』なら食いつくんスよ」と。
私の場合、「面白い」って言葉が最高の賛辞なんである。
可愛いより面白い方が、価値観としてずっと上なのだ。
(それにしても『可愛くて面白い人』というのをたまに見かけるが、すごい)
神様が現れて「美しさか笑いの才能、どちらか授けよう」と言ってきたら
速攻で(なんか死語だな)後者を選ぶ。
なんせそれが無いために、血のにじむような苦労をしてるのだ。
実際左手は血がにじんでいる。皮膚病だ。
しかしそんな人生だからこそ、「『面白い』って言え!」なんてこと、
人に要求してはならないんだったな。ふっ。
と、精神的な夕陽を背にしてひっそり反省会。

そして、先輩の研究の手伝いをしつつ、若い力をたくさん目撃する。
「マサルさん」を読みながら笑いをかみ殺す。
とりとめのないまま夜が来て、早足で家を目指す。

大事件はここから。全ては前フリだったのさ。
ついさきほど、皮膚病が皮膚病じゃなくなった。
まるで恋が愛に変わるように。
雨が夜更け過ぎに雪へと変わるように。
二酸化マンガンとオキシドールが酸素に変わるように。
そう。皮膚病だと思っていたところに、動かした拍子に亀裂が入って、

皮膚病がいま、軽い怪我になった。

病院に行きそびれ4日目のことであった。
今日から「協和埼玉」は「あさひ」になります、ぐらいの衝撃。

あまりの衝撃、そしてその瞬間脳裏に浮かんだ言葉が、
なぜか日記の題名だった。……しょうがないのだ。
最近、林屋ぺーの影響でいつも以上にダジャレづいてしまっているのだ。
彼は師匠である故・林屋三平に弟子入りしたくて、
毎日毎日、三平宅のポストにダジャレを投函していたのだという。
すると15日という異例のスピードで弟子になれたのだそう。
……いやはやなんとも、素敵なお話じゃないか。