できることをやればいいのか、 やりたいことをやればいいのか、で迷う。 仕事を探すというのは漠然とした作業である。 昔の人は自分の足で歩いたり、 周りを見渡したりして仕事を探したが、 現在はもっぱら自室にこもりパソコンに向かい、 たくさんの中から選んでクリックしたり、 バックボタンをおしてまたクリックしたり、 そしたら読み込みが遅くてやるせない気持ちになったりする、 そんな作業が就職活動なのだ。 だいたい1時間も観ていると目がチカチカする。 酷いときは頭もガンガンする。 そして「あーもうっ、」と思い全てのブラウザを閉じてしまう。 活字恐怖症という持病を持つ身としては非常に億劫だ。 「できるかな、これ」と思える仕事ならきっとあると思う。 でも、本当にやりたいことなのか?と悩む。 そもそも「社会人」として仕事をしたこともなく、 ましてバイトもあまり経験のない自分に そんなことがわかるはずもないのだが。 たとえば寿司を見たことのない人に特上寿司を作れと言っても、 何が寿司なのか、何が寿司として特上なのかが判断できない。 寿司を食ってから考えた方がそりゃいいだろう。 だから転職が流行る理由はうなずける。 会社と人が「出会う」ためのツールが充実し、 理想の職探しを追い求めようという風が吹くほど、 「あれ、俺……これでいいのか?」と思う人間は増加し、 転職して人生を考え直す人が多くなるのだろう。 住めば都、という気もするが。 転がる石には苔生えぬ、という言葉は二つ意味がある。 腰を据えないのは良くないという意味と、 苔生さずに新鮮でいられるから良いという意味。 難しいもんだ。 |