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永遠に近いもの
2002年03月29日(金)

テレビで山田洋次監督の「男はつらいよ」をやっていた。
寅さんシリーズを見ると、倍賞千恵子や小柳ルミ子などをはじめ
昭和を代表する美人女優が出ている。
髪型や服装、メイクなど、もちろん現在見ても
「きれいな人だな」と思うのだが、
美人の価値観が今とズレていることは私にもわかる。
『美しい』の定義は儚い。
時代と共に変わってしまう。
70年代の美人メイクは80年代の美人メイクではない。

それに対して「三枚目」という概念はすごい。
寅さんはずっと前から三枚目で、
これからも三枚目と評価され続けるだろう。
美人は時がたてば「昔の美人」と呼ばれてしまうが、
不細工はつねにup to dateな、新鮮な「不細工」でいられるのである。
「男はつらいよ」は色褪せぬ三枚目を暖かく描いたからこそ、
ロングヒットしたのかもしれない。

美しいものは時を超えられなかった。
しかし不細工は時を超え、永遠を手に入れようとしている。

常に同じ評価を受けながら、時代に流されず自分の個性で生きていく
……いま、不細工が熱い。