テレビで山田洋次監督の「男はつらいよ」をやっていた。 寅さんシリーズを見ると、倍賞千恵子や小柳ルミ子などをはじめ 昭和を代表する美人女優が出ている。 髪型や服装、メイクなど、もちろん現在見ても 「きれいな人だな」と思うのだが、 美人の価値観が今とズレていることは私にもわかる。 『美しい』の定義は儚い。 時代と共に変わってしまう。 70年代の美人メイクは80年代の美人メイクではない。 それに対して「三枚目」という概念はすごい。 寅さんはずっと前から三枚目で、 これからも三枚目と評価され続けるだろう。 美人は時がたてば「昔の美人」と呼ばれてしまうが、 不細工はつねにup to dateな、新鮮な「不細工」でいられるのである。 「男はつらいよ」は色褪せぬ三枚目を暖かく描いたからこそ、 ロングヒットしたのかもしれない。 美しいものは時を超えられなかった。 しかし不細工は時を超え、永遠を手に入れようとしている。 常に同じ評価を受けながら、時代に流されず自分の個性で生きていく ……いま、不細工が熱い。 |