思うこと
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2008年09月01日(月) 三国志に見て取れる、「変わらない中国」

「三国志」を読んだことがあるだろうか?

その中で、天才軍師孔明が「古来、『天に二日なく、地に二王無し』と言います。」
と言ったのを覚えてる人はいるだろうか?

意味は「昔から『空に二つの太陽が必要ないのと同様に、地上に二人の王は必要ありません』と言われています」である。

これと全く同じ意味のことを、現代の中華人民共和国が言っているんだよね。

「世界に中国は一つしかなく、大陸と台湾はいずれも一つの中国に属し、分割は許されない」

一見まっとうなことを言ってるようだけど、実は、「中国人が住んでる」からといって、一つの国でなければならない理由なんてないんだよね。世界の国々を見渡してみても、例えばドイツ人なんて、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、それにスイスの東半分と、5カ国に別れて国を形成しているけど、誰も「ドイツとオーストリアは一つのドイツでなくてはならない」なんて言い出さないでしょう?(戦時中のヒトラーはオーストリアを併合したけど、戦後、また元通り別れてる。)

アメリカとイギリスの関係を想起してみても明らかだよね。イギリスから移民した人々が主体となってアメリカという国が形成されたのは、この文章を読んでくれてるみなさんも周知の事実だろうけど、だからといってイギリスはアメリカに対して、統一しようなんて馬鹿なことは言わない。
台湾も同じ。台湾は、500年くらい前には倭寇(※注)の巣窟になったり、400年程前くらいから、中国本土から移民が住み着くようになった。それが、いろいろないきさつがあって大陸とは別の国を形成したからと言って、何が悪いんだろうね。

台湾の側から、統一させてくださいと言ってるんだったら別だけど。
古代の為政者が言った言葉に、現代中国の指導者って縛られてるんだね。

 たちが悪いのは、「ひとつの中国」でなければならないとされている地域は、時代が下るにつれてだんだんと広がっていっていること。
三国志の時代は台湾なんて恐らく、島の存在すら知られていなかっただろうし、チベットだって、東トルキスタンだって、三国志の時代には「天下統一」の対象ではなかった。

注:日本人ばかりではなく、中国人で倭寇と化した者も多く、沿岸部で食い詰めた、多国籍・無国籍ならず者集団だった。

好きな歴史小説・マンガ 『三国志』が根強い人気
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