蜜白玉のひとりごと
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| 2006年11月14日(火) |
フィンランド1〜きっかけはかもめ食堂〜 |
どうして北欧の人たちは穏やかで満足していて豊かに見えるんだろう。
こんな漠然とした思いが、何かの折にふと頭をよぎることがある。毎日繰り返される真っ暗なニュースを見て、日本の将来までもがお先真っ暗に思えたとき、そういえば、と思い出す。北欧の国々の7時のニュースって何を取り上げているんだろう。
「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソン(フィンランド)を追いかけたときも、「ニルスのふしぎな旅」の作者セルマ・ラーゲルレーヴ(スウェーデン)を追いかけたときも、映画「かもめ食堂」(オールフィンランドロケ)を見たときも、漂うこの自信と余裕と素直さはどこから来るんだろうと不思議に思った。
このところ、毎日そのことを考えている。そして今、目莞ゆみ著『フィンランドという生き方』という本を読んでいる。これにはフィンランドの地理・歴史も含め、フィンランドの普通の人々の日常生活が書かれている。
フィンランドといえば、森と湖、サウナ、キシリトール、携帯電話のNOKIA、それに「かもめ食堂」でもあちこち出ていた生活雑貨のiittalaやmarimekkoだろうか。このくらいなら私もわかる。いや、これくらいしかわからない、と言うべきか。あとは、税金が高くてそのおかげで福祉が行き届いているとか、夫婦共働きが多いとか、白夜だとか、ザリガニを食べるだとか・・・。
フィンランド政府観光局発行の「FINLANDトラベルノート」(非売品)の力を借りると、
[有名な人] ジャン・シベリウス、アルヴァ・アアルト、サンタクロース、ムーミン、アキ・カウリスマキ、ミカ・ハッキネン、ヤンネ・アホネン、キミ・ライッコネン、・・・知っていますか?私は半分くらいしか知らない。
[最近の主な一等賞] 学力(OECDが行っている15歳を対象にした2003年度学力到達度調査で数学および科学の応用力、読解力、問題解決能力でトップ、また識字率100%、ちなみに日本は98%) 経済競争力、環境持続力、反汚職指数(クリーン度)、水質、図書館利用率(お〜!)、国民1人当たりの「コーヒー消費量」「キャンドル消費量」「観劇回数」
[基本的な情報] 人口:約520万人 面積:338,000k�屐米�本と同じかちょっと小さい) 公用語:フィンランド語、スウェーデン語(全体の5%程度) 通貨:ユーロ 電圧:交流220/230V、50Hz プラグ:B、Cタイプ 日本との時差:−7h(サマータイム時は−6h) フィンランドは一番近いヨーロッパ。日本からは直行便で約9時間30分の道のり。その他、国境を越える方法はストックホルムやエストニアからのフェリー、ロシアからの国際列車、ノルウェー、スウェーデンからの陸路など。
とまあこんな具合で、知れば知るほど目から鱗だ。そして前述の『フィンランドという生き方』の冒頭で、大きくため息をついた。
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フィンランドの人々はどの人も自立心が高く、フィンランド人の性格的特徴ともいえる明瞭な自意識(イトセィトォントァ)をもっているが、幼い頃からそのように育てられている。高齢者は安易に介護支援を求めることなく自分で生活しようという意識が高い。そしてフィンランド人はよく働く。早起きを好み、そうやって自意識を高めているかのように朝が早い。フィンランドの会社も学校も勤務はふつう朝八時から四時まで。実働八時間だが、七時間半もしくは七時間というのもある。フレキシブル・タイムを実施している事業所が多い。店は、土曜は午後六時まで営業し、日曜は休みになる。 (中略) 週末に二日休み、夏休みがほぼ一ヶ月、十月末の秋休み、クリスマス休暇と冬休み、そして三月の春休みがそれぞれ一週間、その他の祝祭日を含めると、年間就業日は、ほぼ七ヶ月ぐらいだ。 (中略) 家族生活を大切にし、自分の時間を楽しむフィンランド人の気質から、残業は好まれない。それで平均月収は、二〇〇五年七月調べでおよそ三七万円、平均年収はおよそ四五〇万円と、日本とほぼ同じくらいだ。 日本と平均年収が同じくらいなのに、どうしてフィンランドでは長期休業が可能で、GDPの二六.四%もの社会福祉を実現できるのだろうか。そしてその財源はどこから来るのだろう。 世界トップレベルの教育と高福祉社会を支えるためにフィンランドは個人の所得税も法人の企業税も高く、高収入ほど税率も上がる。物価も高いことで知られる。消費税は高いが、エコ製品など税率が低いものや課税されないものもある。どういう国にしたいかという概念(コンセプト)が明瞭に政策に反映されているのである。 (中略) 教育レベルが高いと労働効率が上がるという前提で、フィンランドが国家的規模で労働教育をしていると仮定しよう。高い税率に耐えるために技術開発と高い生産性が要求される。生産性を上げるにはよい労働力が必要だ、そのために教育が重要となる。ひとむかし前の日本企業は社員教育をよくした。リストラや転職が多くなると、金をかけて社員教育をしても自社の得にならない。日本では労働教育を期待されているのが今や大学だが、フィンランドは国家的規模でやっている。教育は小学校から大学まで無料で、初等中等学校から、長い将来の職業人生のために生徒に心と技の準備(スタンバイ)をさせることが教育目標になっている。よい教育は、よい労働力を生み、生産性を上げ、高い税率により国の税収が増える。それで高福祉と教育無料を保障し、良好な社会体系の循環ができあがる。
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どういう国にしたいかという概念。落ち着いて、先を見据える目を国の先頭付近にいる人たちは持っているのだろうか。
フィンランドと日本、お互い持っているもの(歴史・文化・環境・気質など)が違うので全く同じように真似するなんてことはできないかもしれないし、もっともそれでは意味がないのだろうけれど、彼らの精神から何かを学び取ることはできてもいいはずだ。
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