Deckard's Movie Diary
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2007年09月22日(土)  題名のない子守唄

常に『ニュー・シネマ・パラダイス』の亡霊が付き纏うトルナトーレの新作『題名のない子守唄』。一流の監督はどんな題材で撮っても、完成された映画はその監督の匂いに満ち溢れているモノです。トルナトーレの作品は常に優しく、その目線は子供たち見守っている父親のような温かさを感じさせてくれます。今回もまた一人の女性の過酷な運命を、最後には大きな手のひらでの些細な出来事のように(どんな出来事だよ!)優しく包んでしまいます。腑に落ちない部分もあったりしますが、それこそ些細な事です。男には経験出来ない女性の喜びや悲しみの全てをサスペンス仕立てで凝縮してみせる手腕は、さすがはトルナトーレ!です。映画が始まり、断片的映像の積み重ねでグイグイと引っ張り込まれるのですが、心地良かったですね。結局は何を書いてもネタバレになってしまいますので、大したコトは書けませんが、観て損はありません。優しい気持ちになれる映画でした。

全くの余談ですが、主演の***の最後の顔が誰かに似ているなぁ・・・・と、考えていたらアーセン・ベンゲルでしたd( ̄  ̄) ヾ(^o^;オイオイ・・・

さて、最初に書いた「一流の監督はどんな題材で撮っても、完成された映画はその監督の匂いに満ち溢れているモノです。」という言葉の意味ですが、出来上がった作品の出来不出来は全く関係ないんですよ。どうしようもない駄作でも、その監督の匂いがします。何故か?それはその監督が自分を貫いているからなんですね。で、それこそが監督業の辛さだったりするワケです。まぁ、天才には関係ない話でしょうけどね(苦笑)


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