Deckard's Movie Diary
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2006年09月06日(水)  時をかける少女 紙屋悦子の青春

原田知世を世に送り出した大林宣彦監督の名作『時をかける少女』。あの名作をアニメでリメイクかよ!と思っていたら、これは筒井康隆原作の知世版『時かけ』にインスパイされた全くのオリジナル・ストーリーでした。この作品は元々単館公開だったのですが、あまりの評判の良さに拡大ロードショーになったワケですが、その理由が十分に納得出来る仕上がりでした。ストーリーだけなら大林バージョンより上ですね。定番の青春恋愛モノの一篇として、観るに値する作品でした。ただ、脚本が饒舌過ぎて切なさに欠けたのが、ちょっと残念だったかな。それに、アニメのキャラがあまりに男性目線で描かれているのが気になるんですよ。全体がちょっとベタついていて鼻につきます。そういう意味でも実写で観たかった気もします。綾瀬はるか主演で誰か実写化しないかな・・・って、しないよ(自爆)。


その原田知世繋がりってワケじゃないですが、久々の主演映画『紙屋悦子の青春』を観に岩波ホールへGO!黒木和雄の遺作になる『紙屋悦子の青春』は、岸田國士戯曲賞などを受賞した劇作家・松田正隆による戯曲が原作です。というワケで、さながら舞台劇のように映画は進むのですが、黒木和雄は相変わらず人に演技をつけるのが上手いですねぇ。“大根!”と誉れ高い?本上まなみが素晴らしい演技を披露しています。主演の原田知世も、永瀬正敏も、松岡俊介も、もちろん!小林薫も、本当に非の打ち所のない存在感を披露しています。ストーリーは例によって地味に進みます。特にトップシーンは長くて眠たくなりますが、それを過ぎると映画は生き生きと蘇ります。あの頃って、こういう青春だったんだろうなぁ・・・と、あの頃を知らないオイラでも納得させられてしまいます。“戦火に芽生えた淡い恋”・・・哀しい時代のほのぼのとした青春。いつの時代でも、どんな状況でも人は人を好きになり幸せを掴もうとするんですね。っつーか、人はそういう気持ちを忘れてはいけないんですよ!

黒木和雄監督殿、長い間ご苦労様でした。オイラの祭りの準備はまだ終わっていません。


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