Deckard's Movie Diary
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2004年06月29日(火)  ブラザーフッド

凄まじい兄弟愛の映画でした。男女の愛ではこのような展開の映画もあったと思うのですが、兄弟愛に徹した今作は素晴らしくも哀しい人間ドラマを生み出しました。個人的にはカン・ジェギュの名を一躍有名にした前作『シュリ』をあんまり評価していないので、正直なところ「どうだろう?」と半信半疑で臨んだのですが、『シュリ』でのベタな感性はこの映画では超強力な武器になりました。つまり、弟を思う兄の気持ちが一途で盲目的だったからこそ類稀なストーリーが生まれたというコトです。それはキレイ事と言ってしまえばそれまでですが、家族の序列に厳しい韓国だからこそ描かれた映画なのかもしれません。また、弟を思う気持ちから派生した兄の行動はいつしか人間が本来持っている残虐性まで引き出して見せ、さらに!彼らを取り囲む人々を通して理不尽で哀しい戦いだった朝鮮戦争の真実を垣間見せながら、民族紛争の空しさをも描くことにも成功しています。そういう意味では朝鮮戦争の流れをある程度分かっていた方が良いと思われるので、あまり詳しくない方は事前に知識を仕入れたほうが良いでしょう。戦争映画では付き物のツッコミ所もありますし、戦闘シーン(手持ちカメラが多くて閉口!)が長いのも気になりますが、傑作だと思いました。出来れば、飛来するレシプロ戦闘機はF4UコルセアではなくP51Dムスタングにして欲しかったですが・・・(笑)それにしても「またかよ!」と言われても声を大にして言いたいのですが、最近の韓国映画の熱さは羨ましい限りです。本当に良く出来ていますし、良くぞ作った!と声をかけたい気持ちにもなります。哀しいかな、今の日本に世界の何処に出しても恥ずかしくない大作を作れる力はありません(トホホ)。

因みに、分かり易い『朝鮮戦争』のお薦めサイトです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%88%A6%E4%BA%89
このサイト下部の外部リンクにある『朝鮮戦争の経過 全編/後編』。これって分かりやすくていいですよ。フラッシュプレーヤーをお持ちの方は是非!特にビョークの歌に乗せた後半はけっこうイケてます(笑)。韓国の朝鮮戦争記念館には“兄弟の像”というのがあるらしいのですが、この映画はその像からインスパイアされたんでしょうか?その像の意味するとこは“戦場で再会する兄弟”・・・家族でさえ分かれて戦った戦争の悲惨さを訴えているそうです。


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