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Deckard's Movie Diary index|past|will
当時「もうひとつの決勝戦」として様々なメディアで取り上げられたブータン(202位)とモントセラト(203位)のFIFAランキング最下位決定戦のドキュメンタリー映画『アザー・ファイナル』。題材が面白いので期待していたのですが、結局はソレだけの映画でした。「サッカーって面白いよね」「世界で一番多くの人がやってるしぃ!」「ボールひとつで出来るしね〜」「いやぁ、ホントに面白い!」「面白いよねぇ〜サッカーって!」ってそんな中身の無い会話だけでなりたっているような、上っ面をサラっとなぞっただけの映画でした。ナンと言っても題材に対しての取材が甘いのを広告的な編集テクニックで誤魔化しているのが気になります。ブータンにとってサッカーとは?モントセラトにとってサッカーとは?そんな素朴な疑問さえ答えてくれません。途中でモントセラトの監督が辞めちゃったのもサラっと流しちゃって・・・要するに臭い物、都合の悪い物にはフタなんです。「敗者はいない両者が勝者!」などと作り手が言うのは構いませんが、実際に戦ったイレブンにしてみれば勝てば嬉しいし、負ければ悔しいのがアタリマエ。だって、悔しさを感じなければ向上なんてしないでしょう!「真っ白いボールは非営利目的の意思表明」とか言ってますけど、しゃらくさいんだよなぁ・・・ボソ。そんなコトの前に、サッカーは勝敗のあるスポーツです!だから勝ちたい!負けたくない!それは1位だろうが203位だろうが関係ありません。この映画はその原点をすっかり忘れてしまって、やたら美談として煽ってます。お祭り騒ぎだけじゃ胸には何も響いて来ません!唯一、ブータンのキャプテンに勝敗に拘る面影が・・・・。
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