Deckard's Movie Diary
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| 2001年10月11日(木) |
タイガーランド リリィ・シュシュのすべて |
昨日夕方に半分まで進んでいた仕事が、全部仕切り直しになっちゃって、この3週間やってきた事が全て水泡に帰してしまいました!もうホントにトホホな状態!夕方の打合せまで観るぞー!まず『タイガーランド』。『評決のとき』『バットマン&ロビン』『8mm』とか撮ってるハリウッドのジョエル・シューマッカーが『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアーが主唱する[ドグマ95]に賛同して手持ち16ミリで撮った映画。ここまで聞いたら、小生としては「別に見なくてもいいや!」って思ったんですけど、友人のStephen Duck さんが「いいですよ〜」というので観てきました。観て良かったです。これはとってもイイ映画でした。どうしてこういう映画がなかったのか不思議です。コリン・ファレル演じる主人公・ボズのキャラクターがとっても新鮮でした。ボズは小生にとって、忘れられないキャラになりそうです。
続いて邦画で今年最大の問題作と言われている岩井俊二の新作『リリィ・シュシュのすべて』。うーん、ナンなんでしょうか?この映画は・・・・。全くワカリマセン。どうも映画を上手く作ろうとしているだけで、言い方を変えれば、映画の中の出来事を観客にリアルに感じさせる為だけに、作ってるような気がしてならないんですが。もちろん、それはそれで大事な事なのですが、それだけでは何も感じません!ウソでもいいから、もっと感じさせて欲しい。というのが本音です。ハッキリ言って、腹立たしい映画でした。完璧なマスターベーションを見せられても、だからナンなの?と・・・・。
もう少し歩み寄った見方をすると、この映画は、「観てワカラナイ人は初めから相手にしていない!」という、とても閉鎖的な空気で満たされています。その空気が当然、閉塞感も生み出していて、「映画の中だけのリアルな世界(表現が難しいなぁ・・・)」を支えています。そういう意味でも、限りなく薄くスライスされた一時期にスパっと収まる映画なのかもしれません。もちろんその時期というのは、人それぞれ違うモノだとは思いますが・・・・。登場人物である中学生達の心情は理解出来うる範囲ですし、最後に淡い想いを抱いていた彼女に声を掛けなければいけないシチュエーションは、ある意味希望のカケラなのかもしれません。しかし、南の島のエピソードにアレだけの時間を使うなら、アホ女子中学生の誰かに少しだけでもスポットを当てた方が良かったんじゃないのかなぁ・・・・。だって彼女達だけが、エクスキューズ無しだもんね!さすがの岩井俊二さえも描きたくない!それとも、描けない!必要ない!と感じていた。さぁ、どれなんでしょうか?(笑) いずれにしろ1800円の価値ある、ズッシリと重い2時間半!
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