『ぎりぎり間に合うかな』 交通トラブルの影響を受け、私はいつもより移動に時間がかかっていた。 それでも、冬道を言う事を考慮し1時間の余裕を見て自宅を出た為、約束の18時半には待ち合わせ場所のコンビニに着けそうだった。 『彼がまだ着いてなかったら、プレゼントをラッピングし直そうかな』 彼から未だ到着の連絡も来ていなかったので、そんな事を考えていた。
いつものコンビニに着くと、一番端に見慣れた車が。 『え?もう来てる?』 店内に目をやると、硝子越しに、本を読んでいる彼が目に入った。
慌てて店内に入り、『お待たせ〜』と声を掛ける。 いつもは私の方が早く到着して待っているので、何となく申し訳ないような気持ちになった。 『結構待った?』と聞くと『思ったより早く仕事上がれたからねぇ』と。 《あ〜、一緒に居られる時間、損した・・・もっと早く家を出れば良かった〜》そんな軽い後悔をした。
何時もの様に飲み物と夕食を選ぶ。 いつもレジ横の焼き鳥やフライドチキンを選ぶ彼が、今回は珍しくお弁当にした。 買い物を済ませ、車2台でいつものホテルへ向かう。
『プレゼントラッピングし直す暇なかったな(苦笑)まぁ彼はラッピングは外して(中身だけ)持って帰るんだからいっかぁ。』 彼の車の後ろを走りながらそんな事を考えていた。
ホテルの駐車場に2台並べて車を停める。 今回はクリスマスプレゼントに加え、ノートPCも持って来ているので荷物が多い。 『すごい量の荷物だねぇ(笑)』 そう言いながら、荷物の半分を彼が持ってくれた。
ホテルのフロントにあるパネルを見ると、空室は3つのみ。 一つは露天風呂のある最上階の最上ランクのお部屋。 しかし、内風呂が岩盤浴で浴槽がない。 『今日は露天風呂じゃない方がいいよね・・・あとの2つは似たようなモンだなぁ。金額も同じだし。どっちがいい?』 彼にそう言われて、パネルに映し出された部屋を見比べる。 『こっちかな〜』と指差すと、彼がボタンを押してくれた。
〜続く〜
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