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2003年06月11日(水) 青春スケッチ(韓国)

青春スケッチ
1987年韓国 イー・ギュヒョン監督


タイトルこそ地味なAMラジオの番組風ですが、
元祖「猟奇的な彼女」見つけたり!という風情のある
80年代の韓国の若者事情が窺い知れる、
ちょっといい映画です。

えーかげんな大学生チョルス(パク・チュンフン)は、
かわいくて鼻っ柱の強いミミ(カン・スヨン)という
女子学生に一目惚れし、
バスの中で、物売りの口上をまねして
彼女に「自分」を売り込みます。
口が悪く、かっとするとすぐ手が出るようなタイプのミミに、
チョルスは振り回されっ放しでした。

そんな中チョルスは、“宝島”という名の青年
キム・セジョン)と知り合います。
“宝島”は、極めて成績優秀でありながら、
勉強を中断して、何か仕事をしているらしいこと、
怪しげな精力剤を服用していること、
なまっちょろく見えて、実はけんかが強かったりすることなど、
興味の尽きない男で、
ミミともうまが合い、3人で遊びに繰り出すこともありました。

ところで、ミミはチョルスに好意を持っていながらも、
計算高いところがあり、
将来を考えて、猫をかぶって医大生と見合いをしたりします。
それを偶然知ったものの、チョルスに何も言えない“宝島”。
が、後にあっさり発覚し、チョルスは“宝島”が
何も教えてくれなかったことに腹を立てて責めたてますが、
突然、状況が全く一変するようなアクシデントがあり……。

最初は、アホ大学生のアホな日常生活が
毒にも薬にもならない雰囲気で描かれ、
「見ても見なくても変わらんなあ」と思わせるような展開なのですが、
20分目くらいで登場する“宝島”が
不思議な存在感で引っ張ってくれます。
ここ数年注目されている韓国映画やドラマにも通ずる、
ベタとも言えるほどの“人情”の表現には、
やっぱり憎めないものがありますしね。

アホ大学生といえば、この数年前に、
同じく韓国映画で「鯨とり コレサニヤン」という映画もあり、
やはりトホホな授業風景が登場しますが、
あの、超学歴社会と言われる韓国で、
必死に勉強し、大学に入り、成れの果てがアレなんでしょうか。
ちょっと寒い気もします。
ちなみに計算してみると、いわゆる386(サム・パル・ユク)世代ですね。


ユリノキマリ |MAILHomePage