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2003年01月22日(水) 大人は判ってくれない

大人は判ってくれない
Les Quatre Cents Coups

1959年フランス フランソワ・トリュフォー監督


私がこの映画が好きな理由はたった1つ、
誰にも感情移入できなかったからです。
ああ、こういう感じってわかるなあというような、
ある行動に対する動機みたいなものは
ところどころで理解できなくもないのですが、
最終的には「何もそこまで…」と思ってしまうという次第。
だからこそ、まるっきり突き放した
まさに第三者の目で傍観することができました。

主人公アントワーヌ(ジャン・ピエール・レオー)は
母とも養父ともうまくいかず、
学校でも素行不良で目をつけられている
13歳の少年です。
悪友のルネと遊ぶのが楽しみではありましたが、
それでは満たされてはしません。

親たちは、難しい年頃の少年を持て余しつつ、
何とかいい関係したいと思わないでもないわけですが、
何しろ心構えが中途半端なので、
きつい言葉で傷つけたり、手を上げたりもしばしばでした。

そんなある日、アントワーヌは、遊ぶ金欲しさに、
盗みを働くのですが……。

作文の宿題に、
某文豪の文章をそのままパクってあっさりバレたり、
(でも、きっと深い深い感銘を受けたんでしょうねぇ)
両親と一緒に映画を見にいって大笑いしたり、
何だかほっとするような子供らしさを垣間見せつつ、
結局アントワーヌは、
大人に安っぽく理解されることを拒否した少年です。
そして私は、その態度に共感することができませんでした。
親や教師たちの傲慢さや身勝手さは別次元の問題として、
こいつはこいつでいかがなものだろう?と思ったのです。
だからこそ、大いなる虚像として楽しむことができました。

この映画は、
ストーリー展開もいたずらにややこしくないし、
セリフなどのテンポもいいし、
また、映画賞の受賞歴などの看板だけを根拠にしても
十分お勧めできる秀作だとは思いますが、
個人的には、私と同じ天邪鬼体質の方に
ぜひとも見ていただき、感想を伺いたい気がします。


ユリノキマリ |MAILHomePage