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2002年11月06日(水) 十二人の怒れる男

11月6日当日にサボった分を8日に書いています。
珍しいケースですが、11月7日の映画を踏まえて、
次の映画にしました。

十二人の怒れる男 12Angry Men
1957年アメリカ シドニー・ルメット監督

かつて日本に紹介された洋画は、
原題をそのまま直訳しただけでイケてたなぁ。
それに比べて今の洋画は!
そもそも、原題からしてスットコドッコイじゃないか…
そんなことを実感させる、タイトルからして傑作の1本でした。
(もともとはTVで放映されていた密室劇だったらしいけれど)

ある少年の殺人事件を話し合う12人の陪審員。
証言や状況証拠からして、この少年はいかにもクロっぽい。
ああ、こりゃもう有罪だなと、12人中11人が考える中、
第八陪審員(ヘンリー・フォンダ)1人が、
もっと話し合うべきだと主張します。
この少年が平生から非行少年であったことから、
その偏見が判断材料になっているのは危険だ…
というわけです。

そして、彼が説き明かす証言の矛盾点などに、
1人、また1人と賛同者があらわれ、
最後の最後まで、第三陪審員(リー・J・コッブ)だけが、
「あんな不良は…」の一点張り。
さてさて、評決の行方は…という、95分の緊迫の物語ですが、
ヒューマンな温かさもあり、地味ながら印象的な1本です。
ラストシーンも、映画史に残る「かっこよさ」だったと思います。

そういえば、1989年に放送された柄本明主演のテレビドラマ
『帝都の夜明け』の方は、かなりこの作品を意識したつくりでした。
(7日御紹介分の『十二人の優しい日本人』は、
換骨奪胎という感じでしたが)
『帝都の夜明け』も、ビデオ化なりDVD化なりが確認できれば、
参考として、ぜひともお勧めしたかったのですが。


ユリノキマリ |MAILHomePage