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2002年09月16日(月) 百万長者と結婚する方法

1924年9月16日、女優で著述家でもある
ローレン・バコールが生まれました。
若い頃は、「ザ・ルック」と呼ばれる独特の眼差しの、
クールな美人女優でしたが、
先日、インタビュー番組で見た彼女は(数年前のでしたが)、
お年こそ召していたけれど、変わらず美しく、知性にあふれ、
おまけに非常にお茶目な女性でした。
(最愛の夫ハンフリー・ボガートの物真似なんかしちゃって)

百万長者と結婚する方法
How To Marry A Millionaire
1953年アメリカ ジーン・ネグレスコ監督

原題に「Millionaire」とあるからには、
「百万長者」と訳すしかないのでしょうが、
日本人の感覚だと、「百万=大金持ち」というのは、
大分昔の話ですね。
(もっとも、今やハリウッドスターのギャラも、
テン・ミリオンが当たり前の時代ですが)

ニューヨークを舞台に、
ローレン・バコールマリリン・モンロー
そしてベティ・ベレーブルの無敵美女3人が、
大金持ちとの結婚を夢見るモデルを演じた物語です。

50年代につくられたということを忘れると、
先が読める、よくある話にも感じられますが、
(仲良し3人組という設定からして、
日本の2時間サスペンスドラマの
コミカルバージョンにありそうだし)
いかにも肩の凝らないコメディーで、
3人のキャラクター設定の差異が巧みで、
非常におもしろいと思いました。
奮闘・努力の末、彼女たちがつかまえた
それぞれのMr.Wonderfulは一体どんな輩だったのか、
最後の最後までお楽しみ満載です。
(バコールのプライベートを反映した楽屋落ち的なギャグも、
ほんの1シーンだけですが登場します)

ところで、IMDbで細かいデータを確認いたしましたらば、
キャストの順番で、B.グレーブルが一番先頭でした。
単に映画の役柄の重要性に準拠しているのだと思いますが、
(でも、3人ともそれぞれ魅力的で、重要は重要でしたが)
日本では、3人の中で最もなじみのない女優
なのではないかという気がします。
自分を基準に考えるのは邪道かもしれませんが、
私自身、彼女を映画で見たのは今のところこれ1本です。
あとは、B.グレーブルの「存在」が確認できる映画というと、
1951年という舞台設定のイギリス映画
『あなたがいたら/少女リンダ』の中で、
主人公のリンダ(エミリー・ロイド)が、
男の子に「グレーブルの映画に連れてって」
と逆ナンパするシーンがあったのと、
1953年のビリー・ワイルダー作品『第十七捕虜収容所』で、
収監されている捕虜の1人が、彼女をアイドル視し、
明るいとはいえない収容所生活の“光”として
女神のようにあがめているシークエンスがありました。
……といったところでしょうか。

ところで、本日のキーワードである
ローレン・バコール自身の「名前いじられネタ」というと、
1979年の『リトル・ロマンス』の中で、
ダイアン・レイン扮する少女の名前が“ローレン”だったので、
映画マニアの少年ダニエル(テロニアス・ベルナール)が、
彼女をナンパしようとして、
「僕はハンフリー」と名乗る……というのがありました。
ただし、白状しますと、私はこの映画をまだ見ておりません。
原作だかノベライズ版だかを読んでいて、
そんなシーンがあったのが強く印象にあるので。


ユリノキマリ |MAILHomePage