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2002年08月24日(土) 24時間4万回の記録

このコーナーで今まで取り上げた作品や、今後取り上げる中でも、
多分、1,2を争うアホ映画になるであろう映画を
御紹介いたします。

24時間4万回の記録 Les Convoyeurs Attendent
(英語タイトル:The Carriers Are Waiting )
1999年ベルギー・フランス・スイス合作
ブノワ・マリアージュ監督

この映画を買いつけてきた人は、一体何を考えていたのでしょうか。
そして、このストレート過ぎる邦題ときたら……
原題『(鳩の)運搬人は待っている』は、中心キャストの1人である、
軽い知的障碍のある優しい青年のことだと思いますが、
映画全体にまとまりというものが全くないので、
どうしてこのタイトルなのかも解しかねます。

ある小さな村に住むロジェは、
平凡で退屈な貧乏暮らしにうんざりしていました。
そんなある日、
何でもいいから記録をつくったら車をプレゼントというコンテストを知り、
御しやすい息子ミシェルに仕込んで、
24時間で4万回ドアの開閉をするという記録づくりに
チャレンジさせます。
(はっきり言って、これで記録を持っている人がいたこと自体
驚きなのですが…)
そのために、何やら恰幅のいい感じのコーチまで雇いますが、
これがまた、何でもかんでもアメリカ式で押し通すような人で、
心優しいミシェルは、このバカ父とバカコーチに
身も心も破壊されかけます。

そんなこんなでやってきたコンテスト当日ですが、
さてさて、結果は?

大爆笑というよりは、力なく「ははは…」と笑うのにぴったりの映画です。
冒頭に書いた青年は、鳩の飼育をしていて、
ロジェの娘ルイーズ(ミシェルの妹)と仲がいいのですが、
こんなバカ映画の中で、この2人の関係だけが、
何やら『シベールの日曜日』をほうふつとさせるものがありました。
(ヨーロッパ映画って、その独特の雰囲気だけでも得していますね)

比較的最近、カラー版のDVDがリリースされたという情報がありますが、
公開時(及びビデオ)はモノクロでした。
そして、これがまた、かつてないほど意味のないモノクロでして……。
世の中そうそう説明のつく事柄ばかりでないことは判っていても、
それでも「何のためにつくられた映画なのかが全く判らない…」
敢えてそう口に出すことでこだわりたくなるような、そんな映画です。
(少なくとも、私にとってはそうです)

余りにも癖が強いので、すべての人にオススメはいたしませんが、
「トホホなもの見たさ」の気分になったときにどうぞ。
ただ1つ言えることは、
私、この映画がかな〜り好きです、と、これだけですね。


ユリノキマリ |MAILHomePage