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2002年07月19日(金) マンハッタン・ラプソディ

毎月19日は「トークの日」です。
1986年、NTTが語呂合わせで制定した日ということで、
電話の使い方にクスっとさせられるこちらを。

マンハッタン・ラプソディ
The Mirror Has Two Faces

1996年アメリカ バーブラ・ストライサンド監督


せっかくのいい原題に、またテキトーな邦題。
映画の中身も、あれ、そういうことが言いたかったんだっけ?と
何か途中で趣旨違っちゃったとしか思えないところも
ないではないのですが、
まあ、よろしいんじゃないでしょうか。
なかなかよくできたコメディーでした。

知的でハンサム、女性にもてもての
大学教授グレゴリー(ジェフ・ブリッジズ)は、
もて過ぎが災いし、すっかり「美女恐怖症」になってしまいました。

一方、姥桜のような母ハンナ(ローレン・バコール)と、
美人で少々軽薄な妹クレア(ミミ・ロジャーズ)に
コンプレックスを覚えつつ、性格も頭脳も◎の
これまた大学教授ローズ(バーブラ・ストライサンド)。

2人は出会い、恋をして結婚しますが、
何しろ、グレゴリーがローズに惚れたのは、
中身のよさと、外見の冴えなさによるところが大きかったので、
ローズが「彼のために美しくなりたいわん」などと
柄にもないことを考えてしまうと、
「これは僕の求めた妻ではないっ」と引いてしまい……

唐突ではありますが、
私は「こどもチャレンジの」(ベネッセ)のTVCM中で、
1つ嫌いなバージョンがあります。
子供「運動会で1等になれるかなあ?」
母 「何等でもいいんだよ、頑張れば」

ちょっとちょっと、カアちゃん。
「なれるかなあ」と言っているのに、「何等でもいいんだよ」って、
齢4つか5つ(推定)の自分の子供の可能性を見限っちゃっていいわけ?
これが「褒めて育てる」教育とやらいうものの一環ならば、
「1等になれなかったら家に入れんぞ」
と、大人げないスパルタを発揮する親の方がずっと好みです。

この映画のローズも、決してブスではありません。
(B.ストライサンドは鼻が大きいだけで、
やっぱりその辺の女性よりははるかに魅力的だと思うし)
ただ、ファッションが野暮ったくて、
艶っぽい母と妹に比べて分が悪いというだけでして。
賢明なるグレゴリーは、一応そのことに気づきはしますが、
トドのつまりが「中身も、本当は外見も良い」女性に向かって、
「人間、見た目じゃないんだよ」と言ってしまう失礼さ。
近作では、その辺のマヌケさを貫いてつくった作品で、
『愛しのローズマリー』なんてのもありましたけど。

とはいえ、名優2人が粋なセリフとシチュエーションで
大人のラブコメディーを鮮やかに見せてくれる作品ではあります。

そうそう、電話のシーンですけど、
美女(とのセックス)に自信喪失気味のグレゴリーが、
いかがわしい電話サービスにコールするシーンがなかなか笑えます。
……声だけはかわいいって女性も結構いますものね。


ユリノキマリ |MAILHomePage