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2002年05月25日(土) ラブ・オブ・ザ・ゲーム

1965年5月25日、俳優のジョン・C・ライリーが生まれました。
“PTA”ことポール・トーマス・アンダーソン監督作の常連で、
ハンサムではないけれど、がっちりした頼れる兄貴タイプはお任せの
(ちょっとフィリップ・シーモア・ホフマンとキャラかぶるかも)
若き名脇役ですが、
この映画でも、いい味を出していました。

ラブ・オブ・ザ・ゲーム For Love of the Game
1999年アメリカ サム・ライミ監督


ほかのサム・ライミ作品を見たことがある人ならば、
誰もが「ええ〜っ」と思ったと思う、
びっくりのストレートなロマンス味つけの人間ドラマにして、
凋落…とまではいかないものの、最近精彩が上がらない気がする
「あの方」の俳優生活ともどこかダブるような、
何とも言えない作品でした。
(ちなみに、S.ライミは、昔はカルトなホラー映画、
最近ではヒット作『スパイダーマン』の監督でもあります)

所属球団の身売りが決定し、移籍か引退かの選択に迫られた、
たそがれのメジャーリーグ投手ビリー(ケヴィン・コスナー)は、
5年越しの恋人で美容ライターの
ジェーン(ケリー・プレストン)から、
仕事でロンドンに行くと宣言されます。
これは、実質的な別れ話でもありました。

ビリーがジェーンと出会ったとき、
彼女は自動車の故障のため立ち往生していました。
メジャーのスター選手で女性に愛され、また女性を愛するビリーは、
魅力的な彼女の歓心を買うために、
ここぞとばかりに助け船を出しますが、
実は、車について余り知識がなく、どうすることもできません。
……これが2人の出会いでした。

スター選手の恋人であることにおびえるジェーンと、
それまでのような軽いノリでなく、本気でジェーンにほれたビリーは、
軽く衝突しながらも、5年の間、絆を深めるように愛し合いました。

身の振り方を決定する大切な試合で、マウンドに立ったビリーは、
ジェーンとの出会いも含め、自分の野球人生を振り返りつつ、
一球一球投げ込んでいきます。
そして、最後に彼が下した決断は、
「For Love of the Game(野球が好きだから)……」というものでした。
(……の部分にナニが入るかは、ごらんになって確かめてくださいませ)

ブロンド美女のケリー・プレストンが、
この映画では、10代で出産したシングルマザーという役どころですが、
彼女がビリーとの別れを覚悟で出産時のエピソードを話すくだりと、
辛い境遇を生きてきた母親を思いやるティーンの娘の話が泣かせます。
ビリーでなくても、母娘まとめて愛してしまうことでしょう。
(卑猥な意味ではありません)

さてさて、本日1つ年をとったジョン・C.ライリーですが、
彼のポジションは、彼を御存じの方なら何となく見当がつくと思いますが、
ビリーの野球の上でのパートナー、キャッチャーでした。
出しゃばるわけでなく、
それでいていつもビリーを友情で支える「いい奴」です。
どこか、『恋におちて』のハーベィ・カイテルみたいな雰囲気がありました。

スポーツ選手が、まだまだ若い(40歳前後)身空で
「有終の美を飾って引退か、あくまで現役にこだわるか」
という選択に迫られるというのは、
もちろん、そんじょそこらの身近な話ではないのですが、
それでも、感情移入して見入った人は多いのでは、と思います。
別口の映画ではありますが、
数字の羅列を見ると、暗号を読み解かずにはいられない天才数学者に、
「わかるわぁ…」と思いっ切り感情移入した、
言葉を見ると頭の中で符号化してしまうヘボ速記者というのも、
この世には存在しますし……。


ユリノキマリ |MAILHomePage