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2002年05月21日(火) オール・ザ・キングスメン

本日5月21日は、『小学校開校の日』だそうです。
歴史的には、1869(明治2)年、京都市に日本初の小学校
上京第二十七番組小学校が開校したことにちなむとか。

小学校建設が重要なエピソードとして登場する、
こんな映画を思い出しました。

オール・ザ・キングスメン All the King's Men
1949年アメリカ ロベール・ロッセン監督


「悪徳政治家ができるまで」という副題(メーン邦題でも可)をつけたい、
かなり苦くてシビアなお話ですが、
そのシビアさが、エンターティンメントまで高まっていた気がします。

タイトルは、マザーグースの
『ハンプティ・ダンプティ』の一節に由来しています。
失墜した政治生命は、塀から落ちて粉々になったハンプティ・ダンプティ同様、
王様の家来(や馬)をすべてかき集めても、元には戻せません。

1930年代の実在のルイジアナ州知事ヒューイ・P・ロングが
主人公のモデルと言われる小説を映画化した作品です。

新聞記者ジャック・バーデン(ジョン・アイアランド)は、
もとは無学ながら、懸命の努力で弁護士の資格を取り、
田舎でひっそりと暮らす人権派の弁護士
ウィリアム・スターク(ブロデリック・クロフォード)に仕事で会い、
その人格やカリスマ性にすっかり見せられてしまいます。
クロフォードは、小学校の校舎老朽化のために起きた事故の
賠償をめぐる訴訟を担当していたところでした。

また、その一方でスタックは、州知事選の当て馬候補として担ぎ出され、
人のいい彼は、訳もわからずに乗ってしまいますが、
真相を知るや、自分ももより底辺の人間だという思いもあり、
堂々と体制批判をして支持を集めます。
選挙そのものには善戦空しく敗れたものの、
よせばいいのに「癖になっちゃった」彼は、
次の選挙こそ勝ってやるとばかりに、
悪魔に魂を売り渡してしまいます。
そして、出馬前の彼を知る者には到底考えられないような
悲劇が起きてしまうのでした…

ドラマと映画で大いに話題になった『踊る大捜査線』の名台詞の1つに、
いかりや長介演じる和久さんの、
「正しいことをしたければ、偉くなれ」というのがあります。
スタックも、最初は苦労人の人権派として、
「人々の役に立つために」偉くなりたかったはずですが、
権力という名の美酒は、悪酔いするものらしいですね。

また、役者というのは、役柄でこうも変わってしまうものかと思うほど、
ブロデリック・クロフォードの変貌ぶりには目を見張るものがありました。
最初は「いいおじさん」風だったのが、
見終えるころには悪の権化と化しています。
いや、人によっては最初からアクの強い顔に見えたかもしれませんが。

念のため…1949年度(第22回)アカデミー賞作品賞受賞作でもあります。
B.クロフォードも、主演男優賞を受賞しました。

※Humpty Dumpty 
Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses,
And all the king's men,
Couldn't put Humpty together again.


ユリノキマリ |MAILHomePage