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2002年04月10日(水) バグダット・カフェ

1949年4月10日は、当時の労働省が「婦人の日」として制定し、
1998年に「女性の日」と改称されたそうです。
で、一体何をすればいい日なのかわかりませんが、
この女性の友情傑作映画を未紹介だったことに気づきました。


バグダット・カフェ Bagdad Cafe
1988年ドイツ(当時西独) パーシー・アドロン監督


何といっても主題歌“Calling you”が有名ですが、
サウンドトラックには、ジェベッタ・スティールが歌うオリジナルと、
男性(名前が出てこない…)がカバーしたバージョンが
収録されていました。
どちらかというと、後にホリー・コールがカバーしたものによって
この曲自体は有名になったような気がします。
この歌の歌詞を精読することで、映画の内容の一部はつかめます。

…で終わってしまったら、実も蓋もありませんね。

ドイツからアメリカにやってきた中年夫婦が、
砂漠の真ん中で車中けんかを始め、
肥った妻ヤスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は
(過って夫の荷物とともに)車から放り出されます。
そこで彼女が何とかたどりついたのは、
ブレンダという元気のいい黒人女性が切り盛りする
“バグダット・カフェ”でした。
あてにならないバカ亭主を家から閉め出し、イライラ気味の彼女は、
おせじにも感じのいい態度とは言い難い様子でヤスミンを迎え入れ、
モーテルの1室に泊めますが、
行き掛かり上、男物の服しか持っていない彼女をいぶかり、
時には当たり散らしたりもします。

が、ブレンダの反抗盛りの娘息子が
ヤスミンのおっとりした人柄に惹かれ、懐き始め、
ブレンダも、だんだんと態度を軟化させていくのでした。
2人で組んで、おどけたマジックをカフェで披露したりもします。

モーテルにほぼ「下宿」している思われるほかの客達も
彼女を慕うようになり、
殊にジャック・パランス扮する画家は、彼女にベタボレで、
ヤスミンのふっくらし(過ぎ)た体を神々しく表現した絵まで描き、
ついには求婚しますが、さて、彼女の答えは?

嫌な奴、嫌な要素を持った奴は出てきますが、
いわゆる悪い奴は出てきません。
(この場合、↑平気で人を裏切るとか、
初めからだましの意図で親切にするような奴、という意味)
「変ないい奴」がわんさと出てくるというのも、ポイント高いと思います。
例えば、タトゥー彫りを生業にしているデビー!
往年の清純派女優クリスチーネ・カウフマン
さりげなく演じています。

1人の人物があらわれたことで、周囲がよい方に変わっていく、
というさまを描いた快作はほかにもありますが、
(近日公開の『光の旅人 K-PAX』などもその1つでした)
その中でもおすすめです。

映画のジャンルでは、男の友情物語に比べ、
女の友情モノがどうも不利に見えますが(私感)
この作中、ヤスミンとブレンダが静かに抱き合うシーンは
映画史に残したい1つだと思いました。


ユリノキマリ |MAILHomePage