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2002年01月15日(火) 女優マルキーズ

1622年1月15日、劇作家のモリエールが生まれました。
そこで、彼に因んでこの作品を。

女優マルキーズ Marquise
1997年スイス=フランス=イタリア=スペイン
ベラ・ベルモン監督


喜劇を得意としたモリエール、悲劇作家のラシーヌ、
そして時のルイ14世の3人から愛されたという実在の女優マルキーズを、
フランスきっての人気女優、ソフィー・マルソーが演じました。

リヨンに住む踊り子にして売春婦のマルキーズは、
劇作家モリエールと、喜劇役者のグロ・ルネの2人連れに見出され、
ミジメな生活から抜け出し、女優の夢をかなえるために、
グロ・ルネのプロポーズを受け入れて結婚。
同時に、モリエールの一座で女優としてデビューを果たしますが、
生き生きと踊る姿が皆から愛される彼女は、
台詞のある、女優らしい役がなかなかつかないのが不満でした。

そんな中で、不遜なほどに自信家の若いラシーヌと出会い、
夫グロ・ルネの黙認するもとで、2人は激しく愛し合います。

ラシーヌは、マルキーズを独占したいと考えるようになり、
怪しげな薬を手に入れてグロ・ルネの毒殺を企てたり、
かなり危険なドロドロの関係になっていきます。

一方、大女優へと成長するマルキーズは、
大舞台の前に風邪をこじらせ、
自分の身の回りの世話をしていた娘に役をとられたショックから、
ある「間違い」を犯してしまいます…

代表的な大物3人の名前を挙げましたが、
マルキーズの魅力は、男性なら誰でもなびかせてしまうほどの魅力で、
特にラシーヌとの恋愛が、よくも悪くも彼女に影響を及ぼします。

自由奔放という言葉がぴったりの彼女を見ていると、
逆に、自由に生きるための困難の多さにも、改めて気づかされます。
女優が主人公ということで、劇中劇もしばしば出てきますが、
フランス語という言語それ自体のお芝居っぽさもあり、
とにかく、映画全体がドラマチックでした。

それにしても、ソフィー・マルソーという人は、
幾つになっても「かわいい顔」をしていて、
魔性の女性を演じても、客をとらされても、エロチックに踊っても、
何だか「かわいいなあ」と思って見てしまいました。
それがこうした役を演じる上で、損か得かはわかりませんが、
私自身は、映画へのとっつきがよくなったことで、
とても素直に見ることができて、よかったとすら思っています。


ユリノキマリ |MAILHomePage