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2002年01月10日(木) リフ・ラフ

今日1月10日は、「爆笑問題」のツッコミ、
田中裕二の誕生日だそうですね(1965年)。
そこで、小男ながら光っているあるヒトの、
この映画を御紹介します。
(田中さんから「小男である」というキーワードしか
引き出さないなんて、ファンの方、ごめんなさい)

リフ・ラフ Riff-Raff
1991年イギリス ケン・ローチ監督


「りふらふ」と、何だか舌で転がしたら心地よさげなタイトルですが、
「最下層」というほどの意味のようです。
描かれているのは、ケン・ローチの十八番ともいうべき
イギリスの労働者階級の生活や苦悩プラス・アルファでした。

主演スティーブを演じているのは、ロバート・カーライルです。
この人はとにかく小柄ですね。
『トレインスポッティング』『フル・モンティ』などで、他の男優と並ぶと、
大抵「ちびだなー」と思ってしまう背格好でした。
顔も二枚目系ではないのに、何だかとても色気があって、
演技力を買われてのことでもありますが、なかなか多作です。
その出演作の中でも、かなり地味で知名度も低いと思うのですが、
粗削りさと優しさ、常識と非常識が同居した、
何だか魅力的な人物が、この『リフ・ラフ』のスティーブです。

舞台はサッチャー政権下のイギリス。
グラスゴー出身のパトリックは、
後ろ暗いところがあり、“スティーブ”という偽名を使って
ビルの建築現場で働く、いわゆる日雇い労働者です。
不満たらたらの労働環境で働き、気晴らしに行ったハプで、
下手で舞台度胸もイマイチの歌手スーザンが
唄えなくなってしまったのをかばったのがきっかけで、
彼女と恋仲になります。
が、彼女がよくないオクスリに手を出したのがきっかけで、
2人の仲は破局し、そして…

底辺を這って生きているようなスティーブの役ではありますが、
なぜだか非常に紳士的に見えてしまいました。
気骨もあるし、結構仲間思いの優しいところもあるし、
絶対にヤクには手を出さないという一線を越えないし、
惹かれてしまうキャラクターでした。
ひょっとして、同じようにグラスゴーの労働者階級出身だという
カーライル自身の地に一番近いのかもしれません。

映画全体のトーンである体制批判も暑苦しくなく、
後味悪いはずの終わり方にも、いっそ清々しさを覚えました。
あまたある「傷をなめ合う恋愛系映画」の中でも、
かなり強力におすすめしたい1本です。


ユリノキマリ |MAILHomePage