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2001年07月07日(土) タイトルが日本語に直訳されている映画

1960年7月7日、王様の誕生日だそうです。
と、いきなり切り出しても、「はぁ?」かもしれませんね。
少し前「日本語直訳ロック」で鳴らした、あの「王様」です。
白タイツにTシャツベースのけったいな服、
王冠をかぶり、サルバドール・ダリのようなカールひげを顔に描いて、
まるでトランプのキングのようだというのでついた芸名のようですが、
最近はやはりライブ活動中心なのでしょうか。
私、結構ファンだったのですが。
思えば、“王様”というのは、
“キング”ことエルビス・プレスリーにあやかった、
というのもあったのでしょうかね。

そこで、彼のコンセプトに従い、
タイトルが日本語に直訳されている映画をまとめて御紹介いたします。
古典名作にはそのパターンが結構多いので、
80年代・90年代の作品に絞ってみました。

交渉人 The Negotiator
1998年アメリカ F・ゲイリー・グレイ 監督
ケビン・スペイシーとサミュエル・L.ジャクソンが
知力と体力を使って楽しませてくれるので、
小面倒くさい割に、頭を使わずに楽しめるアクションです。
この映画が遺作となった名バイプレイヤー、
J.T.ウォルシュへの献辞に、
ファンなら涙を誘われるかも。
彼は最後まで、映画の中では愛される男になろうとしなかった、
その潔さには頭が下がります。
本当はどんな人物だったのでしょうね。
意味の通じにくい片仮名羅列のタイトルが主流みたいな昨今、
「ネゴシエーター」ではなく、「交渉人」としたセンスを買いたいです。
(エディー・マーフィーの映画で、その少し前に
ズバリ『ネゴシエーター』というタイトルのがあった…
という事情もあるかとは思いますが)


カイロの紫のバラ The Purple Rose of Cairo
1985年アメリカ ウディ・アレン監督
映画ファンの夢を美しく描いたロマンチック・コメディーです。
80年代(厳密には82年から?)のアレン映画を見ていると、
必ずミア・ファローが出ていて、
気の弱い女から姐御タイプまで、実にいい感じで演じているのが確認できるので、
90年代に入ってからの2人の一連のスキャンダルが、本当に残念でたまりません。
この映画でのファローは、
ダメ亭主に逆らえない映画好きのウェートレスを好演していました。

存在の耐えられない軽さ The Unbearable Lightness of Being
1989年アメリカ フィリップ・カウフマン監督
チェコの作家ミラン・クンデラの同名小説の映画化
1968年のいわゆる“プラハの春”
そして同年8月のソ連によるチェコ侵攻などが描かれています。
劇場で見たとき、隣に座っていたカップルの会話が笑えました。
♀「なんかぁ、私ドンパチって嫌いだしぃ」
♂「俺、寝ててわかんない」
おめーら何しに来た!
エロチックで美しい映画でした。
特に、ダニエル・ディ・ルイスと「オトナの関係」にある
レナ・オリンの妖艶さにはぞくぞくします。

ソフィーの選択 Sophie's Choice
1982年アメリカ アラン・J.バクラ監督
“選択”の内容が余りにも残酷で、
改めてナチスの罪深さについて考えさせられます。
メリル・ストリープの演技には、誰も文句がつけられません…が、
彼女に思いを寄せる青年スティンゴを演じていたのが、
今思うと「アリー・マクビール」シリーズの“ちびクッキー”こと
ピーター・マクニコルだったんですよね。

セックスと嘘とビデオテープ Sex, Lies, and Videotape
1989年アメリカ スティーブン・ソダーバーグ監督
さきのアカデミー賞で、
2本の映画で監督賞にノミネートされたソダーバーグが、
20代のときに撮った作品ですが、
実は私、何が言いたいのかがよくわかりませんでした。
80年代の憎まれっ子ジェームズ・スペイダーが、
「意地悪ではないが、変態と思われても仕方ない」男を演じています。
私は、映画キャラとしては、
意地悪よりは変態の方がましだと思います。

気がつけば、90年代の作品は1本だけでした。
「交渉人」のところでも書きましたが、
直訳でなくて、片仮名羅列は非常に多いんですけどね。
それも、原題の文法を無視したようなやつ。
そもそも、原題がまたどうでもいいのが増えてきた気もします。


ユリノキマリ |MAILHomePage