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2001年03月23日(金) 遠い空の向こうに 

1912年の3月23日、ドイツのロケット開発者
フォン・ブラウンが生まれたそうです。
(1977年6月16日永眠)
となれば、ベタだと言われても、
この映画ということになるでしょう。

遠い空の向こうに Octorber Sky
1999年アメリカ ジョー・ジョンストン監督

原作・ホーマー・ヒッカム【ロケット・ボーイズ】草思社


原題は「OCTOBER SKY(10月の空)」ですが、
一説によると、これはアナグラムになっていて、
並べ替えれば「ROCKET BOYS」になります。
原作は、ホーマー・ヒッカムの「ロケット・ボーイズ」
キュートな絵柄の表紙で、日本では上下巻で出版されましたが、
図書館で探すとき、分類に注意しましょう。
文学系の「9」の棚にはありません。伝記系「2」でよろしく。
つまり、ノンフィクションということですね。

炭鉱町で育った、勉強もスポーツもパッとしなかった少年が、
苦手な数学や物理を克服しながら、
石頭の父親に頭ごなしに反対されながら、
ロケットをつくって科学コンテストで優勝し、
奨学金を得て大学進学、そしてNASAの職員に……という、
ある種のアメリカンドリームを手にした人の、
青春時代にまつわる映画でした。

私は、宇宙開発というものに、それほどの興味がありません。
当地からさほど遠くない町で農業に勤しんでいらっしゃるという
元某テレビ局職員の存在は、もはやすっ飛ばされ、
「日本人初の宇宙飛行士」だとされている感のある毛利衛さんは、
人間として尊敬に値する人だとは思いますが、
同時に、「宇宙からの授業」などの模様を見ていたら、
正直、小学生でなくてよかった、などと思ってしまいました。
どんなに毛利さんがありがたいお話をなさっていても、
周りのみんなが目を輝かせて聞いていても、
ある種の感慨は、そりゃあるかもしれませんが、
興味の持てない分野にさも興味津々というふりをするのは、
かなり苦痛でしょう。

でも、この映画はよかったな。
人間の描き方とか、良質の青春映画だけが持つ甘味、酸味、苦み、
そういうものが、非常に好感の持てる形になっていました。
で、こういうのを見ると、
大抵はひたむきな主人公に肩入れしたくなるのですが、
今回の私は、石頭オヤジの味方でした。
気の毒なほど、気持ちがわかった気がしたのです。
きっと、ごくごく丁寧につくってあったからだと思います。

石頭おやじ役は、
『評決のとき』『アメリカン・ビューティー』などの
クリス・クーパーでした。

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