ひびき(日々記)
「夢を叶えて 夢になりたい」

2007年03月02日(金) ご、ごめんなさいっ

ウチの実家には
かなり立派なお雛さんがある

母ちゃんが嫁入り道具に持ってきた

もともとは
母ちゃんの姉(僕の叔母:故人)のお下がりで
大正もしくは昭和一ケタに作られたものと推測される

今はもう絶えてしまったのだけど
母ちゃんちは京都西陣のでっかい織屋さんだった

なんでも丁稚さんが数人いて
庭には池があって橋がかかってて
そりゃあ豪勢なお屋敷だったそうだ

母ちゃんの姉は女学校へ通う際
カバン持ちの丁稚さんを連れていたそうで
いわゆる「ええとこのお嬢さん」だったらしい

母ちゃんが言うには
自分の頃はもう戦争でなんもかんもとられて
ビンボー極まりない暮らしだったそうな

でもそのおかげで父ちゃんと知り合い
僕は父ちゃんと母ちゃんから生まれた

人生のタイミングはなんとも妙なもんだな♪

そのお雛さんは
妹が小学校を出る頃までは
毎年うちの座敷に飾られていた

その当時でも既に50年近く経ったシロモノだ
なんぼ立派なディテールでも年季は入る
そのアンティークなオーラに子供はビビる(笑)

しかも母ちゃんは言っていた・・・
『髪の毛とかはたぶんホンマの人毛やわ』

ワシら兄妹がこんなハナシを聞いて
さすがに怖がらないワケがない!(笑)

とはいえビビりつつも

その作りの細やかさ
特に人形以外の小物(螺鈿漆器とか)のキレイさは
今も心に残るほどの素晴らしいものだった

それが妹が中学校に入ったころ
お雛さんを飾るという行事がパッタリなくなった

おそらく父ちゃん&母ちゃん的に妹に対して
「女の子」と「女子」の境界を引いたのだと思う

実はそれ以来30余年(こっからがコワいとこ:笑)

ウチのお雛さんは実家の押入れで
『一度も飾られることなく眠り続けている』のだ・・・

「ど、どうする!?髪の毛伸びてはったら!?」
「ど、どうする!?泣いてはったら!?」
「ど、どうする!?箱開けて出たはるかもしれんで!?」
「このせいで嫁入り出来ひんのちゃうか!?」※妹ムコ募集中(笑)

もはや約80年のアンティーク
どんな状態になってしまっているか
想像するだけでもういっぱいいっぱいだ

こ、コワい

見事にトラウマになっとるのだな(笑)

けれど僕らの心の端っこには
そのお雛さんの素晴らしさが引っ掛かっていて
兄と僕は今度いっぺん勇気を出して飾ろう!と言ってはみる
(そもそもお雛さんを飾るのに勇気が要る事がおかしい:笑)

言ってはみるが結局今年も
出さんと終わりそーなんでございます・・・

お雛さん

いや
お雛様

ほんとーに
ほんとーに
ごめんなさい!!!!!!!!!(-人-;)


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