分厚い皮にナイフを入れる 短い爪でヘタをえぐる 手の平は汁だらけ
白い中皮を剥き スジをぴ〜っと取り ペロンとめくる
この事をウチの実家では 「カラスか〜か〜」と言った
僕ら兄妹は両親にいつも 剥きにくいはっさくだけは 「カラスか〜か〜して!」と 再三おねだりしたものだった
沢山もらったはっさくを 今は自分で皮をむく きっと兄も妹も 同じ事を思い出している
親と子 兄と妹 同じ時間を過ごした上に 僕らは血でもつながっている
はっさくは僕の好物だ でも僕がはっさくを好きな理由は こんなオマケがあるからだろう
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