囚はれのシネマ日記
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2004年12月22日(水) あの胸にもう一度


つひにあの『あの胸にもう一度』をもう一度みることが
できた。1968年の映画でヴィデオにもDVDにもな
かつたもの。マリアンヌ・フェイスフルのもつとも美し
かりし姿を永遠に残す貴重なフィルム。
もう一度見ると、この映画の風景の美しさには息を呑む
ばかりだ。朝まだきスイスのジュネーヴの家をオートバ
イで発つた若妻が、国境を越えて愛人の住むドイツのハ
イデルベルクまでをひた走る。
雪のアルプス山脈、澄みわたるジュネーヴの朝の空気、
みづみづしい街道の樹木、ながいながい橋、古都ハイデ
ルベルグの落ち着いた佇まひ。ハーレー・ダヴィッドソ
ンに跨りマリアンヌ・フェイスフルはひたすら走る。
これはロード・ムービーの走りでもあつたのだと気づく。
『イージー・ライダー』は1969年の映画だから、それ
より1年先んじてゐたわけだ。時代を反映してサイケデ
リックな、わけわかめな映像も混じつてはゐるけれど、
なにかなつかしいやうな、ゆるやかな官能性にひたひた
と満たされる。こんなに気持ちのいい映画は久しぶり。
マリアンヌ・フェイスフルはさすがにミック・ジャガー、
キース・リチャーズ、デヴィッド・ボウイの3高峰を征
服しただけのことはある洗練されたミューズとして、一
点の曇りもなくひかり輝いてゐたのでありました。
私と友人は20日の初日に見に行つたので、ポスターを
もらへた。28日まで下高井戸シネマでレイトショウ。


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