観に行ってから数日経ってしまったのでちょっと感動は薄れましたが、正規の1800円という値段をかけて映画を見に行った甲斐がありました。
以下ネタバレも含みますので、これから観たいと思っている方はスルー願います。
レ・ミゼラブルといえば。 パンを一つ盗んだ罪で19年投獄された男の話として有名ですが、私は小学生のころに読んだだけなので、記憶がすっかり薄れていました。
覚えていたことは ・ジャン・バルジャンはパンを盗む。 ・燭台を盗む ・ヒロインの恋敵は以外といいヤツ ・ラストがあまり気に入らなかった
だったのですが。 中であってたのはパンを盗むところとヒロインの恋敵エポニーヌについてだけでしたね。
燭台は、ほかの銀食器を盗んだジャン・バルジャンに、神父が与えたものだし、ラストは覚えていたものと違った。 というか……読んだのが小学生のころだったから、ラストで主人公が死ぬということに「なんで!? 幸せになれないの?」というショックを受けたり、養女であるコゼットと自ら別れるのではなく、引き離されたイメージを持っていたようです。
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楽曲について。
最初の船を引くシーンの男声合唱からもう、うっ、すげぇ!となりましたが、 ・改心するジャンバルジャン ・スーザンボイルが歌ったとしてよく耳にする「夢やぶれて」を歌うコゼットの母 ・それから自分の信念歌う、そしてその信念を裏切ってしまったことに苛まれて自殺するジャベール
この3人の独唱、すごくいい。 見せ場だよね!!
心の底から絞り出すような歌い方にうっとり。そしてそれを盛り上げる映像と音楽にうっとり。 民衆の歌、ABCの歌など、力強い曲が多くて、2時間半なんてあっという間だった。 そして泣いた。
それに何より。 「台詞がない」ことに驚いた。
ミュージカルといえば、台詞の途中にいきなり歌いだすのが苦手、という人が多いと思う。
でもこのレ・ミゼラブルは「すべて歌」。
ほんのささやきも、音楽にのせて歌う。 それが、すごい。
それで2時間半続くんだから、いったい何曲の曲が使われているやら。
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一番気に入ったのは。
ジャベール。 昔読んだときは大嫌いだったのに。
こいつさえいなければと思ったキャラクターにも、理由があるのかと思うと逆に好きになる。
ジャベールを演じるラッセル・クロウは、ウィキ的には「俳優としては最高だが人間としては最低」な人間らしいですけど。
それから、エポニーヌ。 恋した相手(マリウス)をヒロインのコゼットに譲るのでありますが。 なんだかなぁ。切ない子ですね。 今どきの映画だったら、きっと最後の10分くらいまでヒロインにからんできて、最後にようやく、「あたしが悪かったわ」とか言い出すんですけど。
エポニーヌに関しては、コゼットは存在すら知らないんだから。 そしてあきらめるのが早いんだから。もっと踏ん張ってもいいのに、人を想いすぎる。だから切ない。
ほぼ何にもしないで幸せになっていく古典的ヒロインのコゼットと、彼女と一言も言葉を交わさぬうちに運命の人だと言い切るマリウス。
マリウスにはもったいないよ、エポニーヌ!
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そしてもちろん、主演のヒュー・ジャックマンが恰好良かったのであります。
……しかし、映画1800円って高いよね。 すごくいいランチが食べられちゃうよ。 300円くらいで映画館で見られるようにならんもんかな。 新しい映画を全部映画館で見られるといいのに。
では、また!
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